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去年の夏にお話を頂いてちょうど1年越しに完成しました。おばあちゃんが一人で暮す家が道路の立ち退で解体しなければいけなくなり、一時は息子さんが住まれる松山への引越しも考えれましたが、新しい環境の変化への不安と、今は亡き『おじいちゃんとの思い出の場所を離れたくない』とのおばあちゃんの強い願いがあり、近所に新しく土地を購入され新築をすることになりました。

打ち合わせは息子さん主体で進められ、弊社の得意とするプロバンスの住宅デザインに決まりましたが80歳を越えるおばあちゃんが新しい家に馴染めるかどうかが最大の問題点でした。そこでご提案したのが旧家に使われていた古材を新しい家にも使い、


「思い出を引き継ぐ家」にすること・・・


無垢をふんだんに使い、山中の冷え込む冬を暖かく過ごしてほしいとのことで、

薪ストーブは息子さんからのプレゼントの意味を込め、取り付けました。窓から差し込む日差しが古材を照らし出し、優しい住宅に仕上がりました。そして、おばあちゃんの一人暮らしが心配な息子さんは休日のたびに顔が見られるように屋根勾配を利用した2階に予備室を作りました。

今年の冬は、家族で暖かい炎を囲みながら、

ご主人との思い出話に花を咲かせるのかもしれませんね。


いつまでもご主人の代わりにおばあちゃんを見守ってくれる大きな古材のぬくもりに包まれながら・・