毎年5月から6月にかけて、
戦没者遺族会の会費を集める為、
町内〜周辺の数件のご家庭を周ります。
戦没者遺族の高齢化もあり、
会員の方々の様子を確認することも
私の役割です。
殆どのご家庭で
昨年と変わらずお元気そうな様子で
安堵しましたが、
残念ながら、一軒のみ
ご家族が亡くなっていました。
ご高齢であるため、
いつ、なんどき、何が起きても
受け止める覚悟はあるとは思いますが、
悔しさを滲ませていました。
亡くなった旦那様に最後まで
しっかりとした医療の下で
旅立たせる事が出来なかったと言う無念です。
話を聞くと
元々持病(循環器系)があり、
昨年の今頃、自宅で体調が悪くなり
かかりつけ医に連絡をしたところ
「旦那さんがコロナだったら困るので、
私は診察はしません。救急車を呼んでください」
と診察拒否をされ
必死にお願いをしても
「NO」の返答は変わらず、
ようやく救急車を呼んだものの
あっという間に状態は急変し、
目の前で弱り、亡くなって行く姿を
見ているしかなかった、、、と言う話
仮に、コロナ感染など発生しておらず、
かかりつけ医が患者の自宅まで
直ぐに往診に向かう事ができたとしても
循環器系の持病と高齢であると言う
旦那様の延命のための治療には
間に合わなかったかもしれませんが、
当人にしてみれば、
長年に亘り、家族ぐるみでお世話になってきた
かかりつけ医に診察を拒否された事は
悔しく、無念でならない事、
「裏切られた」「見捨てられた」
と怒るのはもっともなことです。
ただ、病院側の判断も
この様な状況下では致し方なかったのだとも
理解できるのです。
高齢化の進む我が街は、どこに行っても
若い方の姿よりも、
高齢者の姿の方が遥かに多く、
どの病院も高齢者だらけ、
街の規模からしても多すぎる高齢者施設、、、
(全ての施設が満床と聞いた事があります)
地域医療を支える、お医者様として、
コロナ感染者かもしれない患者を受け入れ、
診察する事は、リスクの高い別の高齢者に
被害を広げてしまう可能性があると言う
考えのもと、対応をお断りしたのでしょう。
どちらにも
なんの咎もないのに、
身近なところでも
トリアージが行われている‥‥
これがコロナ感染がもたらした
悲しみの一面なのかもしれません。