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♪ Andante ♪

風の向くまま、気の向くままに……

私が「月の異名」に出会ったのは

斎藤龍介さんの絵本「モチモチの木」でした。



弱虫泣き虫の豆太が

夜中に苦しみ始めたお爺さんを助けたい一心で

医者さまの所まで一人で夜道を走るのが

霜月三日の夜だったと覚えています。

旧暦三日は三日月の頃ですから

夜中にはもう月も沈んでいたはず。

真っ暗な道に飛び出そうとした時、

豆太の庭のモチノキの梢は

初霜やら星やらでキラキラと

妖しく光って見えたのかもしれませんね。



太陽暦のいまは

日付と月の姿との連動は崩れてしまい

今宵霜月二日はお十三夜だそうです。

僅かに欠けた月が

ようやく熱のおさまった夜空に

くっきりと浮かんでいました。