2025年12月13日(土)14時~15時
ひろしま美術館 本館ホール
< プ ログラム> (ちょっと凝りすぎかも・・)
Grace―恩寵― 1. 小さな祈り
Innocence―無垢― 2. Tchaïkovsky au marimba E・グレニー -くるみ割り人形~白鳥の湖~ヴァイオリン協奏曲ニ長調より抜粋- P・チャイコフスキー 編:ニコラス・ザヴァテロ 3. Variations on the Rhapsody in Blue G・ガーシュイン 編:ニコラス・ザヴァテロ
Silence―静寂― 4. 風の詩が聞こえる 5. White Knuckle Stroll
Pure―純粋― 6. Can't help falling in love 梶川 純司 C・カンジェロシー エルヴィス・プレスリー 編:石田真歩
Hope―希望― 7. 戦場のメリークリスマス 坂本 龍一 編:石田真歩
New beginning―再び、光へー 8. 言伝―ことづて― ポルノグラフティ 編:石田真歩
(石田氏のマリンバ独奏。共演は梶川氏作曲の 4. 風の詩が聞こえる のみ)
マリンバの表現力にいささか疑問を持っていた私としては、正直あまり期待をしていなかった。しかし、実際に聴かせていただくとこの楽器の持つ可能性を再認識せざるを得ない気持ちにさせられた。
マリンバと聞くと、両手に複数のバチ(「マレット」)をもち、三度違いの重音を同時に弾いてトレモロで細かく音をつなぐという演奏方法を想像していた。彼女も基本的にはそうなのだけど、単純な演奏は一か所もないほど多彩な演奏手法を使う。何よりメロディーと伴奏をきっちり弾き分ける。多彩な和音や装飾音を弾くが、主旋律はあくまでも明瞭に響かせるのが彼女の方針?のようだ。曲によっては、マレット2本で弾くが、音の厚みが全く変わらない。逆に旋律が浮き立ち訴求力が増すように聴こえる。これまでマリンバを何回か聴いたことはあるが初めての経験だ。
純粋なクラッシック曲からジャズ、ポップス風な演奏まで、ジャンルは問わない演奏スタイル。アンコールはクリスマスソング。観客を2部に分けて発声の練習をさせ、これに唄わせながら演奏を行う。客を引き込むライブ演奏は手慣れた様子。演奏スタイルには拘らない柔軟で発展的はマリンバ奏者。聴いてて楽しいが、彼女が活躍できる場面を想像してみるが、あまり思い当たらない。せっかくの才能と技術を有する奏者だけに、今後活躍できる機会が広がることを望む。
