公私両面で未成年の頃から現在まで、土地・住宅関連の業界、教育関連の業界、医療・介護の業界を見てきました。
また、いろんな方々の注文住宅に多少なりと関わらせていただきました。
私自身も注文住宅でマイホームを持つ、施主の一人であります。
そんな私が、注文住宅で失敗しない(成功するとは言わないが)為の話をあれこれ語るブログです。
最初の話題は、スタディーコーナーについて。
最近、一部でLDKやスキップフロアにスタディーコーナーを作るのが流行っています。
曰く、「子供が家族団欒しながら勉強できる」「子供が勉強しているのを親が把握できる」と。
普通に考えればわかる事なのですが、近くで家族が食事したりTV観たりしている環境、ちっとも勉強に向いていないですよ。
勉強が可能か不可能かと言えば「不可能ではない」ですが、それは単に不可能ではないというだけです。
賃貸物件とか相続した築数十年の家などで、狭いゆえに子供部屋がなく、ダイニングテーブルやコタツで勉強せざるを得ないというのは、最良でないにしても仕方のない事です。
しかし、注文住宅を建てるのに、わざわざスタディーコーナーをLDKやスキップフロアに作る必要はありません。
高収入な仕事や社会的ステータスの高い仕事に就いている方々の家で、スタディーコーナー的な場所を設けて子供に与えているケースなんて寡聞にして未知です。
難関大学や難関私立中学に通う子供、同様にそれらの入試を控えた子供を持つ親御さんの家でも、見たことはありません。
また、そういった親御さんに子供時代の話を聞いてみても、家族団欒する場所で勉強するスタイルだった方は殆どいません。
例外は、先述の「家が狭くて子供部屋がなかった」ケースです。その方々は図書館や塾、有償の自習スペースで勉強していたそうですが。
考えてみて下さい。自身が子供であったら、LDKやスキップフロアのスタディーコーナーで勉強が捗ると思いますか?
勉強に集中できると思いますか?
成績が期待するように向上すると思いますか?
3帖と狭くても独立した子供部屋なり勉強部屋なり作って、そこに机と本棚を置いて勉強させたほうがよほど良いです。
最も勉強を阻害するものは娯楽道具とノイズです。LDKはそんな阻害因子ばかり。
TV、ゲーム、他の家族の会話やゴロ寝、家事etc...そんなのが聞こえたり視界に入ったりする状況ですよね。
わざわざ子供の学業を捗らせないような間取りを注文住宅で作る理由なんて、世界のどこを探しても見当たりません。むしろ害悪です。
悪いことは申しません。狭くても良いので、子供部屋なり勉強部屋なりを作ってください。
間取り・設備以外の要因は別問題だとしても、マイホームを注文住宅で考えているのに個室を与えずわざわざLDKやスタディーコーナーで勉強させようだなんて、もはや学力面・知識面への虐待です。
10年後あたり、医学科や東大京大に合格した方々に「自宅での勉強する場所はLDKやスキップフロアでしたか?」と調査したら、殆どの方が「否」と回答するでしょう。