彼女は、心地よい香りと音楽の中レム睡眠(
体の力は抜けているが脳波は起きている状態)
に入っていた。
美樹は、その中で夢を見た。

— 彼女は列車に乗っていた、、天気の良い昼

間だ、、遠くの方まで見渡せる長閑な平野が目

の前を通り過ぎる、、その先の方で白い鳥が、

優雅に空を泳いでいた、、とても長閑な平野の

先に美しい山々が見えた、、そちらを何気なく見

ていると、その中にひと際目を引く場所があった

、、山の山頂付近にとても明るく淡いレモン色を

した靄が掛かっていた、、その靄は山の向こう側

まで続いているようだった、、何故か、きっと山の

向こうには自分では見たこともない素晴らしい景

色があるに違いないと彼女は確信していた、、

列車はずっと遠くの景色を追いかけながら、ゆっ

くりと走っていった、、 —

美樹は、その夢から醒めた後も、ずっと゛山の向

こうにある素晴らしい景色゛のことが忘れられなか

った。そして目覚めた瞬間、ものすごい開放感と

共に、何かに充実した幸せな気持ちになっていた。

「人は、基本的に変えられないことがある。
   この世に生まれる時と死ぬ時は、一人であることだ。」

 美樹は、ベルガモットの香りが漂う小部屋
でマッサージを受けていた。毎週金曜日の夜、
彼女は決まってサロンでアロママッサージを
受ける。そうすることで日頃の仕事の疲れを
解消していたのだ。
「今週もあいかわらず、忙しかったみたいね、
かなり左の肩が凝ってるわねー。」
「うーんー……。そうだねー、、この香りと
ても好い香り、だ、、ねー……ふむむ、。」

 美樹はすぅーっと眠りに入っていった…。 
なぜか?
アナタと昔のように話せないのか?
何時から何が理由でこうなってしまったのか?

もう、昔のように戻れないのか?

お互いの目指す場所が、そんなに違うのか?