「どこかでごはんでも食べようか?」
仕事が終わって午後3時。
スマホを開いて入っていたラインに少し頬がゆるみました。
家の近い後輩とトップの上司にだけ空き巣に入られた話を報告して、
あとはどうにかこうにかふつうを装って仕事をこなして、必死だった心が救われた気分。
本当に一緒にいてくれるんだ。
たまーにからかって話かけたりしてくれることはあったけど、
挨拶してすれ違うくらいの仲でしかなかったのに。
「16時にはそっちつくけど、はやい?」
シャワーを浴び終えて15時半、駅に向かうのに15分。
ちょっとはやいし駅は職場の人が怖いから、と一駅前の駅で待っててもらって。
あわてて化粧して着替えて電車に飛び乗り、待っててくれてる喫茶店へ。
「お待たせしました」
「とりあえずなんか飲む?ごはんどうしようね、なんか食いたいもんある?」
「飲み物はだいじょうぶ、ごはんねー……」
お昼も休憩をろくにとれなかったから、おなかがすいてなんでも食べたい。
けど、強いて言うなら
「オムライス!」
「じゃあなんか買って帰ろうか」
「え?」
「家に卵ある?あと玉ねぎとケチャップ」
「え、あ、卵……はあるはず、ケチャップもたぶん、玉ねぎはないかな」
「最寄駅の近くにスーパーあったっけ?ないならここで買っていこうか、」
「えっと、まって、もしかして、作ってくれるの?」
「俺がつくる?」
「あ、わたしが作るんですね、いーですよ、「うそ、俺が作るよ、いやじゃないなら」
「いやなわけないです!」
「じゃあ出ようか、」
さらりと会計を済ませて、駅中のスーパーへ。
サラダ用の野菜と、チキンライスの鶏肉とか、コンソメも切らしたから買って。
お金も半分出す、もするりとかわされて、
他部署とはいえ先輩なんで荷物持ちますよ、も遮られ、
手空くならつなぐ?と返されて真っ赤になって黙らせられてしまう始末。
「ほーんとうに優しいですね」
「ふつうでしょ」
「そんなことないですよ、」
ふつう、好きでもない女の子にここまでしないですもん。
と言いたくなるのを堪えて家路までをコンビニによりつつ他愛もない話をしながら歩きました。