紙切れ一枚?
違う。
この紙に沢山のことが詰まっていて、
沢山のけじめや想いや未来を預けなければいけない。
なかなかかけなかった。
だって赤ちゃんからパパを奪うことになるじゃん。
けど先がない。
あたしは赤ちゃんと前を見なければいけない。
はじめに養ってもらう
平和に家族団欒
それは全て不可能だった。
自分の生活も儘ならないはじめにあたしや子供を養っていくのは無理だ。
はじめはこれからも日銭やおばあちゃんの預金で生活していくんだろうな。
そこにあたしは寄っ掛かれない。
そこにあたしの笑顔や安息や幸せなんてない。
解ってるのに書けなかった。
あたしははじめを愛していたし一緒に居たら苦しいのに離れたら胸が裂けるかの様に痛いんだろうと思った。
未練とかじゃなくって。
はじめへの気持ちは
進行形だったから。
でも、それは女としてのあたしだ。
赤ちゃんの事を考えて母親としてのけじめをつけるなら
はじめとはやっていけない。
あたしと子供一人養うなら働けば何とかなる。
けど、はじめの子供達とも離れたくなかった。
はじめとの別れは子供達との別れも意味する。
痛すぎて、心が痛すぎて泣きながら離婚届けを見詰めた。
誰からの電話にも出なかった。
出れなかった。