今回は、サービス残業代請求に係る裁判例を紹介しています(つづき)。
第3 当裁判所の判断
1 証拠(〈証拠略〉,証人A,原告,被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)原告が担当した業務内容及びその内容についての裁量・責任の程度
ア 美容師の業務は,大別すると,スタイリストが行うヘアカットと,アシスタント(ないしスタッフ)が行う洗髪,パーマ,掃除,その他の雑務とに2分される。
「美容室バズ」自由が丘店において,各スタイリストが行う業務は,主として顧客に対するサービスの提供であるが,商品の発注,開店前ないし営業時間内における清掃,予約の電話受付,備品管理などの業務も行う。
原告は,ヘアカット業務のほか,電話番や清掃業務,消耗品の注文・補充などといった業務にも従事し(原告),また,他のスタイリストのヘルプに入ることもあった(原告)。
イ 美容室は,床屋と異なり,予約によってサービスを提供することが原則である。各スタイリストは,顧客との間でサービスの内容と時間を決定する。なお,サービスの内容によっては,複数の顧客に対し同時並行的に対応することもできる。
このことは,被告においても同様である。もっとも,予約なしに来店するいわゆる飛び込み(フリー)の顧客については,その電話を受けた者が適宜対応し,予約時間をその場で入れることになっていた(証人A)。そして,来店してきた顧客には「お客様カード」に記入してもらい,被告代表者,Bあるいは原告がそれを確認して,スタイリストを指名していた(証人A)。なお,フリーの客の売上げについては,個々人の歩合給の算定の対象には入らない(被告代表者)。
ウ 被告において,顧客の管理は,その責任者は特に定められていたわけではなく,それぞれの従業員(スタイリスト)が自分の顧客をパソコン入力するにとどまっていた(〈証拠略〉)。
(2)原告の経営・人事・労務管理への関与の程度
ア「美容室バズ」自由が丘店においては,店長のBが店舗に常駐することが少なかったため,店舗経営(サロンワーク)に関しては,被告代表者と原告とが中心となって行っていた。
特に,業務時間内において被告代表者が不在の際には,副店長として従業員の先頭に立ち,「美容室バズ」の業務運営を執り仕切っていた。また,原告は,勤務年数も長く,スタイリストとしての経験を有していたことから,先輩として他のスタイリストやアシスタントなどに対してアドバイスを行っていた。
イ 被告では,月1回,トップミーティング(幹部会議)を開催していた。トップミーティングは,被告代表者のほか,店長(B),副店長(原告),チーフ(スタイリスト),サブチーフ(スタイリスト),アシスタントチーフ(アシスタント)が参加して行われ(〈証拠略〉,被告代表者),従業員の採用や昇格の是非を決し,業務状況について報告を受けるなどをしていたほか,賃金の改定(歩合比率の引き下げ)についても被告代表者から諮問を受けたことがあった。
原告もトップミーティングに参加していたが,副店長に新人採用の権限はなく,アシスタントを採用する際に採用面接を担当することはあったが,必ず面接に入るということではなく,担当しないこともあり(被告代表者),最終的に誰を採用するかは被告代表者が決めていた(原告,証人A)。
また,被告においては,アシスタントをスタイリストへ昇格させるときには技術審査を行うこととされていたが(原告),そのチェック担当者は被告代表者が指名することとされ(原告),通常3人程度がチェック担当者となり,その決定に原告も従っていた。逆に,水準に達しないとして昇格されなかった者について,被告代表者の一存で昇格が決まったということもあった(原告,証人A)。
ウ 原告は遅番の終礼の担当者ではあった(早番の終礼の担当者はBであった。)が,閉店の際の施錠についての責任者ではなく,被告の売上げの集計もレジ担当者が行い(原告,証人A),レジ係が売上げを集めて直接被告代表者に渡していた(証人A)。
エ 被告では,就業時間については,早番と遅番の2つの時間帯が設定されていたところ,従業員をどちらに振り分けるかについては,被告代表者が各スタイリストのチームの状態を横断的に見て決めていた(原告)。
また,被告における休憩は作業の込み具合を見て適宜取ることになっていたところ,被告代表者は,在店時には,アシスタント等に指示を出して休憩を取らせており,繁忙時でなければ,親しい従業員とともに私用外出することを認めていた(その時間帯も賃金は支払われていた。)。
原告は,作業の込み具合を見て適宜休憩を取っていたほか,自分と一緒に働くアシスタントに対してのみ休憩時間を指示していた(原告)。
企業の方で、残業代請求などについてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士の費用やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉、解雇、刑事事件や借金の返済、敷金返還や原状回復(事務所、オフィス、店舗)、遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。
第3 当裁判所の判断
1 証拠(〈証拠略〉,証人A,原告,被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)原告が担当した業務内容及びその内容についての裁量・責任の程度
ア 美容師の業務は,大別すると,スタイリストが行うヘアカットと,アシスタント(ないしスタッフ)が行う洗髪,パーマ,掃除,その他の雑務とに2分される。
「美容室バズ」自由が丘店において,各スタイリストが行う業務は,主として顧客に対するサービスの提供であるが,商品の発注,開店前ないし営業時間内における清掃,予約の電話受付,備品管理などの業務も行う。
原告は,ヘアカット業務のほか,電話番や清掃業務,消耗品の注文・補充などといった業務にも従事し(原告),また,他のスタイリストのヘルプに入ることもあった(原告)。
イ 美容室は,床屋と異なり,予約によってサービスを提供することが原則である。各スタイリストは,顧客との間でサービスの内容と時間を決定する。なお,サービスの内容によっては,複数の顧客に対し同時並行的に対応することもできる。
このことは,被告においても同様である。もっとも,予約なしに来店するいわゆる飛び込み(フリー)の顧客については,その電話を受けた者が適宜対応し,予約時間をその場で入れることになっていた(証人A)。そして,来店してきた顧客には「お客様カード」に記入してもらい,被告代表者,Bあるいは原告がそれを確認して,スタイリストを指名していた(証人A)。なお,フリーの客の売上げについては,個々人の歩合給の算定の対象には入らない(被告代表者)。
ウ 被告において,顧客の管理は,その責任者は特に定められていたわけではなく,それぞれの従業員(スタイリスト)が自分の顧客をパソコン入力するにとどまっていた(〈証拠略〉)。
(2)原告の経営・人事・労務管理への関与の程度
ア「美容室バズ」自由が丘店においては,店長のBが店舗に常駐することが少なかったため,店舗経営(サロンワーク)に関しては,被告代表者と原告とが中心となって行っていた。
特に,業務時間内において被告代表者が不在の際には,副店長として従業員の先頭に立ち,「美容室バズ」の業務運営を執り仕切っていた。また,原告は,勤務年数も長く,スタイリストとしての経験を有していたことから,先輩として他のスタイリストやアシスタントなどに対してアドバイスを行っていた。
イ 被告では,月1回,トップミーティング(幹部会議)を開催していた。トップミーティングは,被告代表者のほか,店長(B),副店長(原告),チーフ(スタイリスト),サブチーフ(スタイリスト),アシスタントチーフ(アシスタント)が参加して行われ(〈証拠略〉,被告代表者),従業員の採用や昇格の是非を決し,業務状況について報告を受けるなどをしていたほか,賃金の改定(歩合比率の引き下げ)についても被告代表者から諮問を受けたことがあった。
原告もトップミーティングに参加していたが,副店長に新人採用の権限はなく,アシスタントを採用する際に採用面接を担当することはあったが,必ず面接に入るということではなく,担当しないこともあり(被告代表者),最終的に誰を採用するかは被告代表者が決めていた(原告,証人A)。
また,被告においては,アシスタントをスタイリストへ昇格させるときには技術審査を行うこととされていたが(原告),そのチェック担当者は被告代表者が指名することとされ(原告),通常3人程度がチェック担当者となり,その決定に原告も従っていた。逆に,水準に達しないとして昇格されなかった者について,被告代表者の一存で昇格が決まったということもあった(原告,証人A)。
ウ 原告は遅番の終礼の担当者ではあった(早番の終礼の担当者はBであった。)が,閉店の際の施錠についての責任者ではなく,被告の売上げの集計もレジ担当者が行い(原告,証人A),レジ係が売上げを集めて直接被告代表者に渡していた(証人A)。
エ 被告では,就業時間については,早番と遅番の2つの時間帯が設定されていたところ,従業員をどちらに振り分けるかについては,被告代表者が各スタイリストのチームの状態を横断的に見て決めていた(原告)。
また,被告における休憩は作業の込み具合を見て適宜取ることになっていたところ,被告代表者は,在店時には,アシスタント等に指示を出して休憩を取らせており,繁忙時でなければ,親しい従業員とともに私用外出することを認めていた(その時間帯も賃金は支払われていた。)。
原告は,作業の込み具合を見て適宜休憩を取っていたほか,自分と一緒に働くアシスタントに対してのみ休憩時間を指示していた(原告)。
企業の方で、残業代請求などについてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士の費用やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉、解雇、刑事事件や借金の返済、敷金返還や原状回復(事務所、オフィス、店舗)、遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。