赤ちゃんはもう戻って来ない。絶対に。

お腹を撫でても何もいない。




朝起きる度に思い出す。




せめてあの時、赤ちゃんを抱っこしてあげられたことになるのだろうか。





赤ちゃんのエコー写真を、おじいちゃんの仏壇と一緒においた。

水子供養といらしく、お地蔵様が赤ちゃんを守ってくれるらしいので、赤ちゃんの位牌代わりに紫雲山地蔵寺のお地蔵様をおいた。





出血は10日程で収まり、病院を受診すると手術の必要もなかった。

流産後の身体が、そのまま自分の体質になってしまうらしく冷やさないように気をつけた。

最初の頃は勿論、その後100日間は安静にしていた方がいいらしい。

血を補うために鶏肉をたくさん食べるといいようで、毎日鶏肉を食べた。










たくさんの人が励ましてくれた。

中でも妹が教えてくれた、"竹内文香さんのお空のセカイお話"を読んでなんだか少し気が楽になった。


パパとママは赤ちゃんが選ぶんだ!

赤ちゃんの都合でお空に帰っちゃったんだ。

何か忘れものでもしたのかな?

ママを間違えちゃったのかな?



今は、第二子が生まれるタイミングではなかったんだ。と言い聞かせて。




それから"産声のない天使たち/深澤友紀"という本に出会った。

そこには私が知らなかった様々な出産、たくさんの赤ちゃんとの時間について書いてあった。

幸せな出産が全てではないこと。

この本に出会えてよかったと思う。














赤ちゃんは私に命の尊さを教えてくれた。

無事に生まれてくることがどんなに奇跡なことか教えてくれた。


赤ちゃん、無事に産んであげられなくて本当にごめんね。

助けられなくてごめんね。

そして私達に幸せを届けてくれてありがとう。

たった数週間でも、生きていてくれたことに感謝します。




どうか天国で幸せに過ごしてね。

またいつか、その時が来たらパパとママの赤ちゃんとして戻ってきて下さい。