この候補を応援しているわけではありませんが、やっと世間のタブーに触れる政治家が出たかと喜ばしい限りです。この点だけですけどね。

日本の人事で一番問題なのは、組織にぶら下がり続けようとする人を切れない点です。そして、切った後転職がしにくい問題があります。もっとも切られる前に出ていけという話もありますが。このせいで、日本の労働生産性が無茶苦茶悪いと個人的には思っています。

 

それは会社経営者層でも同じです。一度経営者層になると、よほどの不祥事でも起こさない限りは、辞めさせられることはないというのは実に問題で、営業赤字3年連続、PBRが1倍割れ、PERも10倍割れというのは、IRが悪いから、新規事業に手を出さない保守的すぎることが問題だと思っています。要するに経営者層、部長級以上が無能だとこのような問題が発生します。

 

日本ではいわゆる「物言う株主」とか「ハゲタカファンド」で、よそ者が乗りこんできて会社がバラバラにされてと悪の権化のように言われ続けますが、そういう無能な経営者を追い出すのに彼らは役立っています。経営学の本では、銀行が大規模な融資と引き換えに取締役あるいは監査役として出向させ、内部統制をしているという説がありますが、実際にはどうなんですかね。

 

アメリカの場合は日本のようなメインバンクはなく、株によって資金調達するのが一般的らしく、その流れからアクティビストが活躍するんだそうです。という観点からすれば、ぶっ壊し屋としての株主ではなく、むしろ再生事業の一環として見たほうがいいでしょう。残念ながら、この本ではまだ「物言う株主」としてのアクティビスト観があるようですが、どのような点に着目して話を持っていくのか、その手順のようなものを紹介しています。

 

上場していなくても財務部長さん、社長さんは読んでおいてもいい本だと思いますよ。一般人も「「物言う株主」なんて言うマスコミに騙されないように読むべきだと思います。