「まずは待ちなさい。」

 

と声をかけてきたのは衣冠の大将である取退の清少納言頼母子公[1]のなし崩して、日延断之介を召し連れて、悠然と

 

「いかに貧国の領主である身体始末守空穴朝臣成行、しっかり聞きなさい。お前は元来放蕩で惰弱家業怠慢にして、父母妻子もほったらかし、大酒のみで色ごとに身を崩し何日も家に帰らない。博打や勝負ごとに時間を無駄に過ごし、自分の能力に見合わない大きな望みのくせに内臓はボロボロ、淫らな事ばかりで元気もない。願い事をしながらハエを払い、生きていながらあたかも枯れ枝のように、自分の体でありながら思いにならぬことに苦しむのは、みな自分でやったことではないか。いわゆる、禍福門なしである。全て自分で招いたことだ。『林広記[2]』には書かれているが、暖め過ぎれば性欲が出てくる。飢えて寒くなれば善心を起こすとある。『明心宝鑑[3]』という本には、富貴になれば自然と驕りが生まれる。驕り者になれは淫乱を生じる。淫乱を生じれば貧乏を生じる。貧乏になれば働かなければならなくなり。働くようになれば、富貴を生むとある。」

 


[1] 頼母子講は、今でいう共済のごく小さいもの。

[2] 『事林広記』のことか。南宋末に書かれた百科事典のようなもの。

[3] 支那の明代に編まれた箴言集。

 

そういや15年ほど連絡を絶っている知り合いがいましたね。まさにこんな感じ。

 

大学の後輩だから面倒を見てたのですが、給料は車と酒に使ってしまい。夜中に飲み屋から電話をかけてどんちゃん騒ぎの中継をして、風俗店に行ってはその報告。

 

二日酔いで交通事故を起こして以来、一切の連絡を絶ちました。落語に出てくるようなトンデモな奴でしたよ。