日本は先進国であるにもかかわらず土地所有者が明確ではない土地がごろごろしています。意外に思うかもしれませんが、最悪の状態です。

 

国土交通省はそれでも改革を始めていますが、こんなものでは全然足りないと思います。というのは、明治憲法から戦後憲法に変わったときに私的所有権が拡大され、かなり所有者の権限が強くなりました。

 

これも以外と思うかもしれませんが、土地は公共物で優先的に耕作する権限があるぐらいの感覚でした。ですので、土地の交換は普通に行われていましたし、関東大震災をきっかけに土地収用が進んで今の都内の環状線の原型ができました。

 

ところが私的所有権が強すぎるせいで、神戸震災のときは大きく復興が遅れました。さらに、東日本大震災のときは文化年間生まれ(生きていたら200歳)の人が所有していることになっている土地やら大正時代に倒産した会社の所有なんてのがごろごろ出てきて、その度に裁判所で確認作業をしなければならず、大いに時間とカネがかかりました。

 

今も目的が分からず山林が外国人に買われたりとしています。これまでの経緯から不法に残土を廃棄したり、あるいは盛土の上に大量の太陽パネルを作り、そのまま儲からなければ逃げる事態が予想されます。田圃も、農業委員会に黙って埋め立てて勝手に駐車場にしてみたり地目を替えているケースが多くみられるのです。このせいで、農業の効果的な生産が困難になり、その上近隣の大型店舗の進出で固定資産税が上がり農業が難しくなっているケースも出ています。

 

これって、思いっきり国内の話でありながら食料安全保障にもかかわる話ですよ。

 

きちんと登記をしないと罰金、目的外の使用の場合によっては強制的に土地の没収などができるようにする必要があります。こうして置かないと次に災害が起こったときに、また無駄金無駄な時間を使うことになり、ますます財政を圧迫することになります。戦争が近いとなれば、災害以上のことが起きる可能性があります。