水は北に当たり気は東に当たり、火は南に当たり金は西に当たる。だから金の根本は西にある。これを浄土にして諸仏の主が住んでいるところである。だから弥陀[1]を念ずれば敢えて富貴を祈らなくても自然の道理があってその家は富栄える。この点は重要である。富貴になろうとして念ずれば利益はない。後の世の事を大事の思って信心すれば、この世よいことは招かなくてもやってくる。例えば、米を取ろうと思うならば、藁を捕ろうと思っていないのに藁を得るようなものだ。

 

この考えを護命僧正[2]も信心の家には福徳の光が増すとおっしゃっている。

 

 


[1] 阿弥陀仏のこと。極楽浄土にいて衆生を救済するとされる仏。

[2] 護命(ごみょう、天平勝宝2年(750年)- 承和元年9月11日(834年10月20日))は、奈良時代末から平安時代前期にかけての法相宗の僧。小塔院僧正とも呼ばれる。

 

この辺は陰陽五行説がごっちゃ混ぜになっているので、恵比寿屋さんもわかりません。今更『易経』まで読み進めて理解する気にもなれませんので、この点はここまでにします。

 

 

恵比寿屋さんの知識では、浄土は誰も罪に陥らない環境を言っているのであって、物欲とは一切無縁の世界だと思っているのですが・・・

 

まあ、カネカネとうるさく言っていたら金は逃げますよ、むしろ誰もが罪に陥らない浄土を願った方が、結果的に金が集まりますよ。ぐらいの意味なんでしょう。