この財宝速蓄伝は、大坂第一の金持ちである黄白館の話である。

 

黄白の主人は、貧乏の家に生まれ育ったが、この本に書いてある道理を実行することから、徐々に裕福になっていった。そして今では他国にも伝わるくらいの大金持ちである。そしてこの伝を受け継ぐ人は、みな大金持ちになっていく。金を稼ぐのに正しい方法なので、そのあらましを写し取って、自分も他人も金持ちになろうということで、伝えることになった。

 

後々榮軒金陵

 

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今日から『財宝速蓄伝』になります。

 

黄白館って何?と調べてみましたが、出てきませんでした。黄白は黄金と銀のことを指すようで、「財宝の館」とでも称しましょうか。こんな事から、おそらく仮名か架空か、まあそんなところでしょう。