農家は潔いものである。五穀を作り人を養い、天地自然が育てることに適っている。この点を以て農業の尊さを理解できるだろう。実に天下の大業であると言える。だから、昔から聖人賢人も農家の中から出てきている。耕作に工夫し年の豊凶に従い、凶年のときはそれに従い、節約を守っている。豊年には年貢年中の食事の余裕があれば、家の修理をして父母妻子の衣類を作り、無駄遣いをせず米穀一粒であっても疎かにしてはならない。世の中に穀物以上の宝はない。人の命も穀物を食べなければあっという間にあの世逝きになる。世界の中で大切なものと言えば米穀以上のものはない。天禄というのはまさにこれの事だ。

 

金銀も大切ではあるが、飢えているときにこんなものを舐めても命は助からない。身分の上下に関わらず命の元は稻である。

 

だから、米をたくさん使って酒にした上でそれを零すして捨てるのは、冥加が尽きることで恐れるべきである。

 

年によって豊凶があり、毎年同じという訳にはいかない。だから、油断せずに耕作をして、年貢を滞りなく規則を守る農家はこれ以上立派なものはない。怠りなく農業を営みなさい。

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最近はパン食が増えたせいか、米の消費が減っています。この小麦は8割が輸入、蕎麦は9割輸入だそうです。

 

ロシアのウクライナ侵攻で改めて食料安全保障が課題になっていますが、なかなか遅々として進みません。農家が農家として飯が食えないのが一番の原因でしょう。もっと農業をやりたい人に農地を譲渡し易くしたり、中間業者を飛び越えて利益が生まれやすいようにしたり、もっと工夫が必要です。

 

票田だからといって既得権益を維持したりするのは、日本国を潰すことになるどころではありません。増してや、エコと言いつつ田圃に太陽光発電システムなんぞ並べるようなことは、早く禁止すべきです。

 

それと農産物泥棒ですが、通常の窃盗より重い刑を設定しましょう。