「これは何というものだ。なかなかうまいものだ。私はこれまでこんなものを食べたことがない。」

と大いにお喜びになった。

臣下の者たちは太守がはるか遠くに小さな家でたたずんでいるのを見て、駆け付けて太守が安全なのを確認して大いに喜んだ。その小さな家のそばに数百人集まったので、老婆は卒倒してしまった。太守は臣下に命じて助けよと命じた。お供についてきた医師が治療し薬を与えたところ、正気に戻った。臣下は太守に向かいこの日の狩りを中止にすることを進言したので、早々に城に戻られた。臣下も大いに喜び、何と気が荒い馬だ太守様の行方が分からなくなったらどうなる事かと喜んだ。

翌日昨日の狩りに疲れて、お食事も進まなかった。太守は、昨日の狩りに出かけたとき老婆の家で食べた餅団子が食べたいとおっしゃった。何の団子かとお供に行った人々に尋ねたが、その場にいた人が誰もいなかった。米団子を作って砂糖、氷砂糖などをつけてお出ししたが、一口食べて「このような味ではなかった。もっと旨かった」とおっしゃられ、それ以上はお召し上がりにはならなかった。一体どういうものだろうか、小麦団子あるいは「当黍団子かと、様々な形で作り砂糖を多くかけたがどれも違うとおっしゃる。ただ、あのばあさんが出したようなものを出せとしかおっしゃらない。

この上はあの婆さんのの家に行ってその品を聞いてくることが決まったが、誰もその村の名前が分からない。このときは誰もどうしようもなく臣下は大いに困った。やっと太守がいらっしゃったあたりに行って、その婆さんに団子の名前を尋ねたが、全くわからない。

しかし、太守は毎日あの婆さんの団子が食いたいという。手分けして狩場のあたりに見覚えのある所を尋ね、やっとその家にたどり着いた。

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たまに食べる、というかたまにしか店頭で見かけませんが、稗や粟の煎餅は風味があっていいものですね。毎日となるとしんどいかなとは思いますが、米アレルギーの子供たちには、必需品のようです。

 

しかし、包装の裏を見ると原材料中国産と書いてあるのを見ると、本当に大丈夫なのかなぁと疑問に思ってしまいます。

 

なお、この当時の砂糖は薬としての扱いで今でいうとユンケルのようなものの扱いだったようです。