山は木を生じて大木となる地があり成長する。これを切り出して柱にして、板にして役に立てる。家を作り食事を用意するにも、木や柴を切り出してこれを薪にして、火を焚いてご飯にしてこれを食べ、その他様々な役に立つ。五穀はもちろん一切地面の影響を受けないものはない。こういう状態であるがその土地の尊いことを考えず、土地を荒らしあるいは無用なことに土地をふさいで屋敷を広げ家を飾る。自分が大した身分でもないのに、宮家や武家に劣らないような材木を使い奢りを極めるのは、自分の身分をよく理解していない。

土地は少しの空き地でも作れる。

『書経』では「土爰稼穡[1]」、『中庸』では「人の道を政治によって実践しようと思えばその変化は敏速であり、地の道で樹木が迅速に生長していくのと同じである。[2]」。『孝経』の人章で「農耕するときは、地の利にあわせる[3]」とある。

また、昔の人の言葉には「わずかに膝を入れるだけであれば、これをやらないのと同じである。」とある。だから無用なことに土地を使うには慎むべきである。地は少しの間でもそのままにしておくのは惜しいことである。農業をする人は少しの空き地であっても何でもいいから植えておいて食の助けにすべきである。まことに町中の子供が嫌がる歌であるが、あなたは天からこれを告げるのであれば、幼い子の戯れの言葉と思ってはならないことを思い出して、ここに書く。

 


[1] 陰陽五行説の考え方。

[2] 『中庸』の右第二十章『人道、敏政、地道、敏樹』

[3] 『孝経の』の庶人第六『因天之時、就地之利』

 

その山も輸入木材のせいで手入れがなされず、ただの花粉症発生装置になってしまっています。あれは一斉に杉を植えたことが原因で、もっと多様な木を植えておけばこんなにひどい花粉症蔓延にはつながらなかったことでしょう。

今はあまりあらなくなりましたらが、落ち葉はいい肥料になるのですよ。DIYで一袋500円ぐらいで売られていたりしますが、昔の農家は共有林を持っており、そこで落ち葉を回収して肥料にしていました。今はごみ収集車に有料でもっていかせていますが、実に勿体ない話です。

また、地方のでは田圃が片っ端から潰され大型ショッピングモールやら住宅街になってしまっています。日本では人口減少が進み、空き家も増えているのに、さらにそういう造成された土地は元々はいい畑だったりするのです。

もっと、新規就農者のために土地の売買を自由にしてもらいたいものです。

食い物とエネルギーは国の根幹で国防そのものです。