世間の若い人に言いたいことがある。若いときは二度とない楽しみなさい。こういうのは若い人は無常を深くは知らないからだ。若いものでも早く死んでしまうこともあるという。無常の一方を知って老少不定であるので、年老いて八十九十になって死なずにいるのも、また無常であるということを知らないからだ。

そうであるのだが、若いときは二度とないと過分に楽しみにふけり、天命が与えてくれる分以上に使い冥加につき思いの他長生きして貧乏の身となるのは不覚の至りである。

人は若いときは血気盛んであるため、食物もあらいものを食べても、歯もよく口の中も爽やかでおいしく、衣類は重いものを着ても重く感じず、おかしくもないことを面白く覚えるだろう。年老いてくるとおかしいこともおかしく感じない。軽いものも重く感じ、歯が抜け落ち口が乾いて何を食べても味を感じず、旨いものを食べても旨く感じないのが老人の身である。

だから、若いうちに何とかしてでも暮らしていくべきだ。ただ老後の耐え難いことを知っておくべきだ。だから、自分から若いうちから身を慎んで、悪い行為をしないようにしなければ、年老いて神仏の加護があって生涯安楽に暮らせるだろう。

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「あらいもの」は刺身のことでしょうか。当時は冷蔵施設なんかはありませんから、内陸で刺身を食べるのは川魚ぐらい。海魚を食べようなんて言うのは命知らずだったようです。

さて、現在で見ると今の20代は草食系、断食系、悟り系なんて呼ばれています。驚いたのは、「合コンはコスパに合わない」なんて平気で言ってるんですよね。20代男性だったら、何が何でも飛びつく話じゃないんですか?!と思ったりします。彼らが30代40代になって嫁が欲しくなっても、その年齢からでは遅すぎます。

20代であれば許される失敗も40過ぎてやったら、ただのバカでしかありません。若いうちに楽しむことのほうが大切だと思います。

が、そこに耽るのは駄目でしょう。

ある人に聞いたところだと、年が行ってから覚える遊びは歯止めが利かなくなるのだそうです。若いうちは金がないからそれなりに節制するからでしょうか。

ともあれ、遊びを知らない人は何をやったら人は喜ぶのかを知らない人、こういう人はつまらない人でもあります。