道徳書について内心考えていたところ、あるとき「悔草[1]」という本を読んだ。私は以前から思っていた言葉がその本の上巻の末にある。これはいいものを見つけたとばかりに書くことにする。理解した上で少し変更する事にする。難しいことは取りあえずおいて、他の人からとやかく言われて何かするのは嫌であろうから、居間あたりに書きつけておくべき事を書いておく。
一 色々な規則があるが、まずは守りなさい
一 人請け[2]をしてはならないし、告げ口もしてはならい
一 どんな事であっても人を陥れるような謀をしてはならない
一 顔見知りではない人はたとえ二三年会っていない人でも書状を送られてきても、まず一夜の宿をしてはならない。ただ、親兄弟が書状を送ってくるときはそのときに応じること。
一 値段が安いときはその物が適正でなければ、絶対に買ってはならない。
一 自信がない時は編み笠一つであっても預かってはならない
[1] http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2539934
[2] 保証人になること。
何でこの項目を選んだのかよく分からない物もありますが、いかにも日本的なのがあります。
規則については守る物であるという感覚です。これは東アジアあたりだと、当事者同士がOKすれば規則なんかどこ吹く風で、後になってもめると地獄を見ますが、それでも彼らはメンツで動いて規則なんか守りたがりません。ヨーロッパ人は、とりあえずの契約の感覚で今の段階での暫定的な物の感覚です。一度その規則に同意すると、当事者同士だからいいやという感覚にはならないようです。
そして規則は道具として考えているので、自分が有利になるように結構簡単に変更します。
ある公認会計士と弁護士に言われた言葉ですが、「法律は守るものではない、使うものだ」の感覚に近いのでしょう。そこまで行くと倫理の問題ではなくなってしまいますけどね。