一 全ての貧乏人は、普段の生活態度が重要であると普段から心得るべきだ。

一 貧乏で大変苦しむときは、必ず悪い事を考えるものだ。例えば、丸木橋を渡る気持ちで脇目も振らずに普段の生活を大事にしなさい。

一 その日暮らしの者は、正直正路で結構な人と言われるようになりなさい。

一 義理のある借金があるとその人に顔を合わせにくいもの、だから借りた時の心に戻って厚く詫びを入れなさい。

一 節句の時期に交わした借金を断らないのは、どうしようもなくなったようではあるが、これは不義理なので何度も断わりを言うべきだ。

一 貸し借りに限らず嘘を言ってはいけない。

貧乏人は義理を欠くまいと思いながらも、どうしようもなく義理を欠くものなので、一日中きっちりと義理を正しく守るときは、たとえどんなに貧乏であっても貧乏の瀬戸際をしのぎ、中年になるころにはきわめてよくなるはずだ。

 

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大昔、仲間と一緒に経営した会社がありました。私はある事情で直接関われなくなり、提案する立場にとどまりました。

私がいなくなった後に就任した社長は、私からよく借金をしていました。政治家とも付き合わざるを得ない業務内容だったので、多少の飲食や服装にも金を遣うのは私も仕方がないと思っていました。ですが、借金の返済が必ず2か月遅れるのです。しかも事前の連絡なしに。

 

彼は、昔の仲間だからと言う甘えがあったのでしょう。そのうち取引先からクレームが入るようになりました。

一時期は蝶よ花よとマスコミに持ち上げられていましたが、私が離れて4年でぱったり聞かなくなりました。金回りが悪くなって倒産したようですが、その前から正直さを守っておらず、取引先は全部聞いたふりで流していたようです。

 

たぶん本人は顧客がとか国際状況がなどなど言ってましたが、私を相手にしたくないくらい不正直になっていたのが大きな原因だと分かっていなかったのでしょう。