昨夜開けたのは、チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)。
コルクを抜いた瞬間、馴染みのある木の香りと柔らかな果実の香りがふわりと広がり、まるでそっと近づいてくる挨拶のようでした。
グラスに注ぐと、ワインの色は夜のように深く、グラスの縁には繊細な“涙”が静かに伝います。
軽く揺らすと、ブラックチェリーやカシスの香りがはっきりと立ち上がり、続いてほのかなタバコやチョコレートのニュアンスが広がっていきます。重なり合う香りに、思わず深呼吸したくなるほどでした。
一口目を含むと——
酸味は柔らかく、タンニンはきめ細かく、舌の上にベルベットを敷いたような滑らかさ。
ボディは重すぎず、それでいて口の中をちょうどよく満たしてくれる。
飲み込む瞬間、喉を通る優しい温かさがあり、不思議と心がほっとする力を感じました。
二杯目に差し掛かる頃、私はソファにもたれ、窓の外で風に揺れる街灯を眺めていました。
この穏やかな微酔いは、ふとした感情を呼び起こし、未来にほんの少しロマンチックな期待を抱かせてくれます。