いつぶりだろう…

半年ぶりくらいかな!女性と居酒屋デートなんて…

あの日以来だ!以前三ヶ月ほど付き合った女性がいたが、別れ話を
したのが、とある居酒屋だったのを思い出した。

彼女には悪い事をした!自分の感情が中途半端なまま付き合ってしまった。

付き合いだしてもイマイチ盛り上がらずに、会うのも良くて週一、
しかも、ご飯を食べに行くくらいで、じゅあまたね!みたいな関係だった…

だから、体の関係も無かった!案の定そんな関係は長続きするわけも無く
三ヶ月ほど付き合った所で別れる事になってしまった…

別れ話を切り出したのは自分からだった!彼女は泣いていた…

本当にごめんなさい!良い巡り合いがありますように…
と、思ってぼくたちはそれを最後に会う事は無くなった…

あれから半年!
目に前に座る彼女は子供を腕の中にしっかりと抱きしめて微笑んでいる!

そんな彼女と子供を見て、すごく自然でどこと無く居心地がよかったのを
よく覚えている!

本当に数時間前に始めて出会ったとは思えないほど、ゆっくりとじかんが
過ぎて行った…


彼女は微笑んだま切り出した。

「今ね、この子と2人で暮らしてるの!いろいろ大変だけど、この子がいっぱい
笑顔を運んでくれるからすごく子育てを楽しんでるんだよ!」

それを聞いても僕の頭の中はまだ???だった。

「あれ?まだわかんないの?だから私ね結婚はしてないの!分かりやすく
言えば、未婚の母って事になるのかな!」

そこまで聞いてようやく頭の中の整理がついた。

「あ~っ、そういう事なんだ!なるほどね!じゃあお詫びの食事誘っても大丈夫だね!」
と、話の流れで思わず誘ってしまった。

彼女はフフっと笑い、一言「いいよ!」と言った。

正直その答えに、ビックリしたのは僕のほうだった。

でも、なぜか会って間もないのに、彼女と自然に会話を楽しんでる
自分にもビックリしていた。

そして、僕たちは近くの居酒屋で、ディナーデート?に行く事になった。


思い切り笑った後、目と目があった!一瞬沈黙したがすぐさま自分から
切り出した。

「とりあえず、オモチャ代だけは弁償させてください」

「うん、分かりました!でもホント安物だから千円ぐらいかな」

「そっか!じゃあ本当にごめんなさい、これで何か新しいオモチャ買ってあげて下さい」
そう言いながら二千円を手渡した!

「あれ!多いよ」

「いいよ!オモチャ代と何かおやつとか買ってあげてよ」

「そっか!じゃあ今日の夜ご飯代にしようかな!」
彼女は半分冗談まじりで、ほほえみながらそう言った。

それを聞いた僕はすぐさまこう切り出した。

「ホントはお詫びに食事でもどうかなって誘いたい所だけど、さすがに
子持ち人妻は誘えないよね!」

彼女は笑だした!

「どうしたの?」

「なんでもない!子持ちは合ってるけど人妻ってのは残念ながらハズレかな!」

「ん?どうゆうこと?」

彼女は微笑んだままだった!



「これもうダメですね!完全に割れちゃいました」

それを聞いた彼女は
「本当、以外と簡単に割れちゃうんですね!でも大丈夫ですよ
そんなに高級オモチャじゃないので!」

そう言った彼女は再びクスッと笑った…

「でも、何か他のオモチャとか、とにかくお詫びさせてもらいたいんだけど…」

う~ん!じゃあハンドメイドの頑丈な高級オモチャでも弁償してもらおうかな!)

「えっ…!」思わず言葉に詰まってしまった!
でも頭の中は高級オモチャってどんなの?
いくらぐらいしちゃうの?ちょっと前にTVで愛子様とか皇族の人たちが木製の
完全ハンドメイドのオモチャで遊んでいる映像を見た事有るな~!とか瞬間的に
駆け巡った…

その困り果てた僕の顔を見て、「あはは!冗談ですよ!さすがにそんなこと言えないよね」

「えっ、あ~っ、あはは!あ~ビックリした、正直高級オモチャってどんなのかな~て
本気で考えちゃったよ!」

「なんか面白いね!」

「うん!そうだね!なんか面白いね!」2人で笑った…









去って行く彼女の後ろ姿を数秒見た後、すぐさま会計のレジに行き必死に動揺している
自分を押し殺しどうにか支払いを済ませた。

荷物を抱え自分も足早にその場を去って行った…。

自分の左手に壊れたオモチャ握りしめたまま、必死に先ほどの女性を探した!

しかし、ユニクロの入り口には女性の姿は無かった…

「突然の出来事で帰ってしまっても無理ないか」フ~ッと息を吐き
方向を変え歩き出した時、違う店舗のショーウインドウを眺めている彼女を見つけた!

すぐさま駆け寄り、声をかけた…
「あの~さっきはすいませんでした!」

その声掛けに、ハッと気付いた彼女は振り返り
「 いえ、こちらこそ子供が落としてしまってごめんなさい」

「イヤぜんぜん自分の方こそ、とっさに足を出したら思わず踏み潰してしまって…
ほんとごめんなさい」
と言いながら手に持っていた、壊れたオモチャを差し出した!

それを見た彼女は、クスッと笑った…