小学生時代、放課後や休日に友達と遊んだことは殆どありません。年に2〜3回でした。
周りの友達が放課後遊んでいることが羨ましくてたまりませんでした。

学校にいる間はみんなと楽しく過ごせますが、家に帰れば、勉強やピアノやバレエがありました。

だから家には帰りたくなかった。レッスンギリギリまで学校に居残ることもしょっちゅうでした。

正直に言うと、ピアノもバレエも好きではありませんでした。
特にバレエは、嫌々レッスンに通っていました。
多い時には週に4回。
先生と合っていなかったのだと思います。
何事もそうですが、指導者と合う合わないは大きな違いです。

私は臆病で頑固でプライドが高い子供でした。
芸術は自分をさらけ出すものです。
私のような子供にとって、自分をさらけ出す事はとてつもなくハードルが高い事です。

私は踊っている時に笑顔を作ることが何より苦手でした。
笑顔を作ることも自分をさらけ出すことのひとつです。

先生に「笑いなさい!」と怒られます。
もし、そのまま笑わなかったら「笑いなさい!」と再度怒られます。
では、笑顔を作るとしましょう。
そうすると「できるのに何でやらないの!」と怒られます。
どのみち怒られるのです。
だから素直に笑うことができませんでした。

先生の言っていることは間違っていません。
私が最初から笑顔で踊れれば良かっただけの話です。
でも、ちゃんと笑顔を作れた時に、子供の頃の私が先生にかけて欲しかったのは「良い笑顔!その調子!」という言葉です。

私は先生の言うことを素直に聞き入れませんでした。
先生は私の欲しい言葉をかけてくれませんでした。

このような状態でしたが、上手になりたい気持ちはありました。
家では毎日練習し、お風呂上がりのストレッチも熱心に取り組みました。
でも上達せず、コンクールも散々な結果ばかり。

3歳から中学生まで10年以上習ったバレエは、高校受験を機に辞めました。
辞めた時に感じた「もう練習しなくて良いんだ」という解放感は今でも忘れられません。

今思うと本当に勿体ない11年だったなと思います。
もっと素直になって練習していれば、もっと良い(自分に合う)先生と巡り合っていればと今も後悔しています。
そうしたら、もっと上手になれたのではないか、もっとバレエを好きになれたのではないか…と。

バレエの話ばかりになってしまいましたが、私の子供時代をお話しするには欠かせないものなのです。