宝塚歌劇団
わたしは観劇したことはないですが、ミュージカルを舞台で観劇することが、何より好きな、おじさんです。
初めて生の舞台でミュージカルを観劇したのは、1993年、下北沢の本多劇場で観た、音楽座ミュージカルの「リトルプリンス」です。友人に誘われて特に興味はなかったのですが、幕が開いた瞬間から、その世界にのめり込み、あまりの楽しさにワクワクが止まらなくなりました。今までミュージカルを観たことがなかった、わたしは、この世にこんな楽しいものがあるんだ!と感動してそれ以来30年以上、音楽座ミュージカルを追いかけています。途中、うつ病で3年半引きこもっていたので、離脱してましたが、今は元の自分に戻りつつある良い状態なので、また以前のように、追いかけて行きたいと思っています。
音楽座ミュージカルには若い劇団員さんが常にオーディションで入団してきます。昔からいる劇団員さんも沢山います。退団する方も沢山います。1度も舞台に立てないまま去っていく人もいます。もちろん入団前はキラキラした舞台に立ってありったけの思いを表現するんだって志MAXで入団したはずです。しかしながら舞台に出演出来る役者は少なく狭き門であることは間違いないです。わたしは客だから役者さんたちが、どれだけ厳しい稽古をしてどんだけ努力して、どれだけ沢山の涙を流して何十回何百回のダメ出しをくらって、あのキラキラした舞台に立てているか、わかりません。
出演していない役者さんたちがロビーで最高の笑顔でわたしたちお客を出迎えてくれて、テキパキ裏方の仕事をこなして頑張っていますが、もちろん本当は舞台に立って表現したいはずです。
一生懸命頑張っても、志半ばでやむを得ず退団する若い役者さんもいるはずです。
わたしからしたら25歳といったらまだまだこれから人生が始まると言っても過言ではない位若いし、なんでもチャレンジ出来る歳だと思います。
同じ志を持った仲間に、陰湿ないじめをうけ、有ってはならない暴力をうけ、寝る間もない程働かされた挙げ句、あのような最悪な結末になってしまった。
ほんとうに悲しいことです。どれ程無念だったかと思うと涙が止まらない。どんな方か全く知りませんが、あの華やかな素晴らしいステージに立つことを夢見ていた若者がこんなひどい、いじめで自ら天国に行くことを選ばなきゃならないことを思うと悲しくて悔しくてたまらないです。かつてわたしも転職先での壮絶なパワハラといじめ、長時間労働でどんどん心を壊していき食事が取れなくなり全く眠れなくなり2ヶ月足らずで20キロ近く体重が、減り、ついには完全に心がぶっ壊れて退職し精神病院に3ヶ月強制的に入れられて、退院後も心は壊れたままで、それから3年半、家から一歩も外に出られない人間じゃない生活をしていました。そのときのわたしは正に死ぬ事しか考えられませんでした。実際に首を吊ったこともあります。苦しみに耐えられずに失敗しましたが。
良い精神科の先生に巡り会えたこともあって、今はその考えは全くなくなり、少しずつですが以前のわたしに戻りつつあります。外出も出来るようになり、ミュージカル観劇と同様に好きな映画館も行けるようになりました。1993年の「リトルプリンス」以来の大ファンの土居裕子さんご出演のコンサートも12月に行くチケットを取りました。やっと人間に、戻った気がします。
わたしの歳の半分にも満たない、25歳の若者には何がなんでも生きてほしかったです。
本人にしてみれば、この壮絶な地獄から逃れるのは、この選択以外考える余地はないという決断でいってしまったのかもしれませんが、だれかに助けを求めて欲しかった。本当に悲しい出来事です。
いじめた人間はこれからどんな思いで舞台に立つのでしょうか?何事もなかったの如くキラキラした舞台で溌剌と思いの丈を全身全霊でりり表現するのでしょうか?
人に優しく出来ない思いやりのない最低の人間が人々を感動させられるのでしょうか?
己の醜さを、見つめ直して一生償って下さい。