この人が宝塚のトップになり、こんなにも強烈な魅力を持ったスターになると全く持って想像していませんでした。

紅ゆずるさんについて語ります。

くれないのゆずるさん(うちの夫が柚希礼音さんが言っていたあだ名を覚えて、こう呼ぶ)を初めて認識したのは、スカピン初演の新人公演だった。同期の麻尋しゅんさんが優等生で、その陰にいた印象でしたね。
歌は今ひとつ…だけど、本役が歌ウマ瞳子さん(安蘭けい)だから比較したらみんなヘタに聴こえるよな、新人公演だしこんなもんかな、とあまり気にならなかった。宝塚らしいビジュアルと天真爛漫な明るさを持った人だと。新公の舞台挨拶で客席にいる瞳子さんにむかって「トウコさーん」って手を振る姿は無邪気すぎて微笑ましく思えてしまったw

そんな無邪気なくれないのゆずるさんが、いつのまにか2番手になっても、いやいや、ないでしょ、誰か落下傘が来て別格枠じゃないの、と思っていた私も無邪気といえばそうですよね。ロミジュリのマーキューシオの破壊的な歌は驚愕。加えて芝居が拙いせいもあり、とても幼く見えてしまった。柚希礼音さんがショーブラン以降グッと大人の男役度を増して、涼紫央さんが品の良い男役の見本みたいな立ち姿だったので、2人の間に挟まれたくれないさん、ちょっと浮いてましたね。ほんわかゆりかちゃん(真風涼帆)がいて、なんとかバランス保ってたかんじ。
それがある時から急に上達が見えてきたんですよね。愛と青春だったかな?本人がどこかで言ってましたけど、マーキューシオでヤバいと自覚したらしいです。自覚って大切。つまり、このあたりで自分はトップになるのかもしれないって思ったんでしょうか。

この方を語る上で外せないのは、スカイステージの「Brilliant dream +next」でしょう。
#2の料理対決の回の衝撃たるや…!破壊を超えた創造がそこにはありました。(思い出したらテンション上がってきた)

オープニングで、しーらん、みやちゃん、れんれん、みっきーたち紅5メンバーはそれぞれイケメン男役ぶりを発揮しているのに、くれないさんだけ、新撰組とかずるい。
メンバーたちの料理スキルの無さもすごい。みやちゃん自ら料理レベルを「下の下」と評し、ポトフの材料を買い出しから調理まで、みんなして、とんちんかんを連発。

そんなとんちんかんポトフを「美味しい〜」と、幸せそうに召し上がるくれないさんは神々しかった。(実際出来上がったコンソメで煮た野菜、もといポトフは美味しそうでした。)

美しいジェンヌさんたちが終始バカバカしいやりとりを、大真面目に繰り広げている様子が笑えるしほんわかするしで涙でるほど笑いました。録画を何度リピートして見たことか。

ミニドラマの回も面白かった。みんなの女装(?)がかわいくてね…。

スカイステージの番組の評価が人事にどれだけ影響するのか知る由もありませんが、あの一連の番組で彼女らの認知人気が上がったことは確かだと思います。

その追い風のなか、柚希礼音さんの後を継いで星組トップへ。トップお披露目がスカピンだったのは安心感があって良かった。ピンパーネル団と紅5の関係性を重ねたものです。

しかしその後、くれないのゆずるさん率いる星組を追ったかと言うと、全然観ませんでした。(おいw)
久しぶりに観たのは中継の「霧深きエルベのほとり」「エストレージャス」
途中からくれないさんの声が出なくなってしまった千秋楽の中継です。
歌がよく聞こえなくなってきたので中継だから音声トラブルか?なんて思ってたら、中詰で本人が謝りはじめて驚きました。最後のご挨拶でも謝罪してましたね。
過去にトウコさんも声出なくなったことあったし、匠ひびきさんも足が動かなくなるなどトラブルがあり、毎日舞台をやるって本当に過酷なのだなと。プロ失格よ!なんて思わない私は甘いのかもしれません。

そしてサヨナラ公演も観なかったのですが、(観なかったんかい)スカイステージでのサヨナラ映像やらを見るにつけ、圧倒的な個性を感じずにはいられませんでした。

で、サヨナラ公演観ないくせに、突発的に日比谷へ行き、歌劇やらグラフやらサヨナラ本を買い漁ってきました。

おそらく天才肌ではないくれないさんのゆずるさんが舞台の真ん中にたつまでの大変な努力が垣間見え、その姿に心打たれた。幸運に恵まれたこともあったでしょうが、その波を掴んだ気概もすごいと思います。それと根底にある宝塚が好き、私はタカラジェンヌである、という自負が漲っていて、その自己肯定感の強さが惹かれる理由かもしれないですね。