思うこと | 夏は快適、冬は極寒の地

夏は快適、冬は極寒の地

日本人の私、ドイツ人の夫、二人の会話は英語、住んでいる地はスウェーデンの北の果て、なんともインターナショナル??

利用者さん宅には、タイムカード機(?滞在時間を記録するもの)があって
滞在目的によっていくつかの番号を入力する。
例えば、”様子見”だったら「09」とか。
その中に、”ターミナルケア(終末期医療)”というのもあって
それを使うことがあるのかな、と思っていた。

利用者Aさんは2週間ほど普通の(?)訪問介護を受けたのち
病状が悪化したのか、入院した。入院は1、2か月ほどだったんじゃないかと。
退院が決まった日の2,3日前のミーティングで
「Aさんは終末期に入り、自宅で亡くなることを希望しています。
彼女の世話をやりたい人はいますか?」
と言われ、それに2,3人が手を挙げた。
私は母が亡くなったときに、ターミナルケアに興味を持ったので
やりたいとはちょっと思っていた。
でも、その後、ある利用者さんを訪問したとき、苦しんでいる姿を見て
パニックになり(救急車は呼べたけど)、目の前で亡くなられた、
という経験を思い出すと、またパニックになるんじゃないか、という不安もあった。
・・・結局、希望はしなかったけど。

Aさんのターミナルケアが始まったのは約3週間前。
24時間、誰かしらがそばにいて、生活の世話をしたり
手を握っていてあげるそう。
彼女の元に行ったスタッフの話を聞くと
最初は割と食欲があったりしたけど、だんだん
眠っている時間が長くなり、時々「お母さん!」と
言っていたりしたそう。
先週はもう何も食べなくなった。
そしておととい日曜の夕方に亡くなった。
死に際には家族は間に合わなかったようだけど、
看取ったスタッフの話を聞くと
「・・涙を流して、深い息を何回かしたあと、静かに
なったのよ。
家族が来てからも泣くのを
我慢できなくて、トイレでこっそり泣いたの」
そして、そのスタッフともう一人で
きれいな服を着せ、死に化粧をして
きれいな姿になったそう。

・・・訪問介護でのターミナルケアなんてあるんだろうか、と
同僚に聞いてみたら、過去に何度かあったそう。
自宅で最期を迎えたいと思う人が多いんじゃないかと
思うのだけど、家族が嫌がるのか、本人が希望を言えないのか
(周りの人に迷惑をかけるから、とか)、
はたまた、終末期に入ったときには本人に意識がないのか?

Aさんは訪問介護スタッフによるケアに対して
どう思ったか、わからないけど、希望通り家で亡くなれたことを
喜んでいることを願うのと同時に、他の利用者さんも
希望するならば、周りを気にせずに(?)言ってもらいたいと思う。
私もトラウマ(?)をなんとか乗り越え、
利用者さんの人生最期の時間を見守ってあげたいと思う。