人情むんむん “GOOD TO SEE YOU!” | グローバルに波乱万丈



いつも何年ぶりかに日本に帰り、集まってくれる友達の顔を見て嬉しく、浮かぶ言葉は、

“SO GOOD TO SEE YOU!” で、

咄嗟に頭の中で訳して、口から出るのは、「会えて嬉しっ!」 なんですが、

50歳前の私が言うのは、ちょっと変ですかね。


久しぶりに知っている人に会って、嬉しいという気持ちの表現、確か、日本語ではないような。

「久しぶりーーっ!」 の中に、暗黙でそういう嬉しさが含まれているのでしょうね。



特に好きな人じゃなくても、見慣れた顔を見ると、なんだか嬉しい気持ちになる。

考えてみると、不思議な感情ですよね。

脳がかなり発達した動物のみの、感情だと思います。



先週、数か月ぶりに、アジア食品スーパーに行ったんですが、

中国人のレジの人が、

「私、貴女のこと覚えてます。 GOOD TO SEE YOU AGAIN.」 と言ってくれ、


その後、その近くにある小さなスーパーに、そこも久しぶりに寄ると、

黒人のレジの人も、

「うわーー、久しぶり! 元気だった?! GOOD TO SEE YOU AGAIN!!」 と。


貧乏な黒人の人達が住む、治安が悪い、巷で “ゲトー” と呼ばれる地区なんですが、

レジの女性も、前歯に金の枠を入れていたり、首に刺青があったり、しゃべり方とか、

まさにゲトーな人なんですよ。 三十才前後の人かな。


実は、その日、かなりしょんぼりした気分だったので、

親しくない人達からの “GOOD TO SEE YOU AGAIN.” に、随分と気持ちが晴れたんです。



今日また、そのスーパーに行き、その黒人の人がレジだったので、

「この前来た時、ちょっと落ち込んでたの。 

あなたが私のこと覚えててくれ、 “GOOD TO SEE YOU.” って笑顔で言ってくれたでしょ。

その言葉で明るくなれたのよ。 ありがとね。」

と伝えると、


「そんなこと言ってもらったら、私の方が明るい気持ちになるわ。」 と彼女、嬉しそうで、

どちらからともなく、レジスター越しにハグをし、

金歯の笑顔で、「TAKE CARE、ママ。」 と。


ゲトーの黒人の人達が、年上の女性を親しみを持つ相手に使う “ママ” と初めて呼ばれ、

思い出しては、にんまりしてるところです。  
  


レジの人がお客に “GOOD TO SEE YOU.” なんて、

日本人には、大袈裟な嘘っぽい表現かも知れませんが、

人間は一人では生きれない生き物である証明である感情を、表す言葉のようで、

人情むんむんで、私は大好きなんですよ。



知ってる顔を見て、嬉しい気持ちになれる心の人。

自分の顔を見て、人に嬉しいと思われる人。

そうありたいと思います。