実際にスペシャルな子 | グローバルに波乱万丈



私が子育てをしていた頃は、子供の自尊心を高めてあげるために、

“You are special.”  「あなたはスペシャルなのよ。」 と、言って育てるようにと言われてて、

親から子への誕生日のカードや、卒業祝いの言葉、たぶん歌にも、

“You are special.”  という言葉がよく使われるんですが、

最近読んだ、児童心理学者の記事に、子供に自分はスペシャルなんだと思わせて育てると、

決して特別扱いされないこの世の中で壁にぶち当たった時、乗り越える精神的な強さがなく、

また、自分中心で、周りの人達を思いやれない人になる可能性がある、と書かれていたんです。


確かに、自分も人も同じと思えないと、

周りの人達の気持ちをわかろうとする努力が出来ず、優しさに欠けてしまうでしょうね。



20歳の次男の中学、高校から友達に、

お父さんが現在パリのディズニーランドの社長さんをしてる子がいるんです。


先日、息子、その子の妹の高校卒業パーティに招待されたんですが、

アメリカで一番大きい住宅を建てていて、建築の経過がリアリティ番組になった実業家や、

ディズニー・ワールドの副社長... すごいゲスト・メンバーだったらしいです。 


きっと、息子の友達はそんな大人達から、“You are special.”  と言われ、

ちやほや特別扱いをされてきたと思うのですが、全くそんな雰囲気がないんです。





よくうちに来て、一緒にデッキの囲炉裏を囲み、お喋りをするのですが、

大人との場に慣れているし、頭がとても切れる子なので、会話がとても上手なんです。

そして、相手を思いやりながらの会話が出来る子なので、

気持ちのいい、楽しい時間が一緒に過ごるんですよ。


メイドさんが何人もいる家庭でしょうが、

いつも片づけを手伝うと言ってくれ、私が 「ありがとう。 でも、大丈夫よ。」 と言えば、

「申し訳ない気がする...」 と心から申し訳ない様子。



実際にスペシャルな子です。

どんな育てられ方をしたのだろうかと、考えます。 

きっと彼の両親、人を見下ろさず、見上げずな姿勢を子供に見せ、

“You are special.”   などと言わず、

ちやほやする周りの大人達中で、子供を浮ぬ惚れさせないように育てたのでしょうね。



うちのような家に来て、私にも心のこもったハグをしてくれ、

私なんかが作る食べ物を喜んで食べるその子を見てると、

そんな家庭の子だということ、すっかり忘れてしまうのですが、


ある夜、デッキの囲炉裏でステーキを焼き、皆で食べていたら、

近所の犬がいつものように顔を出したので、脂身や筋をあげてたんです。

そしたら、その子、ステーキの半分くらい、赤身のとこ、犬にあげたんですよ!

ステーキ、それもリブアイ・ステーキですよ!

ハッと、お金持ちの子だということを思い出した一瞬でした。 (苦笑)


時々、パリに単身赴任中のお父さんの車を借りて来るのですが、

主人によると、うちの家とそれほど変わらない値段の車なんだそうです。 


近々、誘拐して身代金を請求しようと思っています。 

思ってません。