知らない人に対して、どれだけ心を開いていいのか、
用心しないといけない時がありますよね。
特に、いろんな人がいるアメリカでは、気を付けないといけません。
私は人好きで、全然人見知りしないですから、
どれだけ心を開いていいか考えるなんて、面倒です。
それでも、この前のように泥棒に入られると、
少し人間不信になってしまいます。
そんな状態な時に、こんなことがありました。
素人養蜂家の私は、害虫が巣箱が侵入していることに気が付かず、
蜜蜂に去られてしまったんですよ。
悲しくて、すぐにまた蜂がほしかったのですが、
冬が手前の今の時期に、蜂の巣を売っているブリーダーは少ないんです。
それでもなんとか、グレッグリストというオンラインの地元掲示板で、
女王蜂を売っている人を見つけました。
メール連絡で、“蜂の巣も売ってますか?” だけでよかったのですが、
人見知りしないうえ、お喋りな私は、
“初心者の私、害虫から蜂を守ってやれず、可哀想なことをしたんです。
あれからいろいろ読んで勉強したので、これからはもっと上手に世話をしてやれると思います。
よかったら、蜂を私に売ってください。”
個人的なことを加えました。
そしたら、
蜂を売るのは一か月先になるけど、それまで、上手な蜂の世話の仕方を教えてあげますよ、
という申し出の返事が帰ってきたんです。
一瞬大喜びしたんですが、考えてみれば、
蜂を買うだけなら、人通りの多い場所で待ち合わせができるけど、
教えてもらうなら、その人のところに行かないといけません。
掲示板とメールの返事から分かるのは、下の名前と住んでる街だけ。
大がかりな養蜂家みたいだから、土地の広い、もしかしたら人里離れたところかも知れないし、
日中だから主人に同行頼めないし、相手は男の人二人だし。
さすがの私でも、躊躇したんですよ。
メールのやり取りの中で、そのことを匂わすことを書いたら、
〝世の中には、悪い人はほんの少しで、いい人でいっぱいなんだけど、
目を開くのが怖く、それが見えないこともあるよね。”
と返事が来ました。
きちんとした文法で、優しさが感じられる文章に安心し、
〝私は、道で知らない人にでも挨拶をするように子供達に教える、日本で育ちました。
すぐに簡単に他人に心を開くこんな私を、ナイーブだと思う人もいるでしょう。
でも、人は本当は皆、良い心の持ち主だと、信じたいです。”
と返し、
住所を教えてもらって、会いに行くことにしたんです。
若い人達なのかな? それとも年配の人達なのかな?
白人かな? 他の人種の人かな?
アーバンな人達なのかな? それともレッドネック系なのかな?
すっかり人間不信は消えてしまい、運転しながらそんなことを考えてました。
自己紹介をするなり、どちからともなく、ハグ。
いろいろ教えてもらい、いろいろ見せてもらい、
お祖母ちゃんや弟さんも、紹介してもらい、
肘を突っつき合いながらジョークを飛ばし、たくさん蜂とは関係のない話もし、
結局、三時間以上滞在しました。
また来週行くことになってます。
用心は必要ですが、
目を閉じていれば、リスクはないかも知れないけど、
この世の中に、どれだけたくさんいい人がいるのか見えないし、
人とふれ合うチャンスも逃してしまいます。
今回の新しい出会いで、
やっぱり、人見知りなしの自分のままで、これからも心を開いていこうと思ったのでした。