「うちには招待しないわよー。」 | グローバルに波乱万丈





先週末の夜、夫婦でデッキでワイン飲んでいるところに、

同じくモロッコ人で三十代前半の、数年前に結婚した主人の部下友達が顔を出し、

子供の話になり、


「実は... 僕は子供がほしくてしょうがないんだけど、

妻が、友達の子供達の様子を見て、

あんな大変こと、自分にはできるかどうか自信がないと言い出して...」



もちろん例外もありますが、ここに住むモロッコ人の子育てはちょっと変で、子供達がスゴイんですよ。

人んちでも走り回るし、騒ぐし、触っちゃいけない物触るし、勝手に他の部屋に入るし、

それでも親は注意しないし、しても建前程度で本気じゃないし。



イタリアのタスカーナ地方の古い街で買った、柔らかい大理石、アルバスターのチェスセット、

昔、友達の四歳児の子が、私達とお喋りしているお母さんが自分を相手にしてくれないと腹を立て、

八つ当たりをされ、傷だらけです。 (涙)






彼も、友達が連れてきた二歳の女の子が、帰りたくないと一時間半も玄関先でダダをこね、

疲れてしまったと話していて、

最後は、親がオモチャを買ってあげる約束をしたとか。




私は、子供が六ヶ月の頃に、していい事、してはいけない事、教えて始めました。

言ってもわからないですから、触ってはいけない物に手を出すと、パチッと手を軽く叩いて、

“No!” と言いながら目をじっと見詰め、いけないことなんだと知らせてました。


子供としたら、興味津々な物もたくさんあったでしょうが、

したらいけない事はしないという、自制力がしっかりついたと思うんです。


学校や社会にはルールがいっぱいですから、“諦める” ということが大事になりますよね。



ちっちゃいのに 「ダメ、ダメ」 言うのは可哀想、と思う人もいるかも知れませんが、

自由に好きなことして育ち、急に自制しないといけなくなり、いろんなことを諦めないといけなくなる方が、

よっぽど可哀想だと思うんです。


遊びたくても、じっと席について先生の話を聞かないといけないし、

新発売になったビデオゲームをプレイしたくても、宿題しないといけないし。



我が家では、子供が小さくても、壊れ物を除けてしまう必要はなく、

危険な物を触って怪我をする心配もありませんでしたから、楽でした。


ダダもこねることなく、そういうものだと諦めることができたようで、

「帰りますよ。」 と言えばサヨナラを言い、「寝なさい。」 と言えばパジャマに着替え、楽でした。



それに、小さな時にしっかり躾けたので、大きくなって信用してやれ、

叱ったり、小言を言う必要がないので、息子達とはいい関係でいれてます。




彼に、親の育て方次第だという、そんな話をし、

「ちゃんと子供を躾けないと、うちには招待しないわよー。」 

と半分冗談、半分本気で言っておきました。


頭のいい彼ですから、

自制ができない子供は、他人にとっては迷惑尽きず、

楽しい場にも招待されなくなって、子供も親も可哀想なことになると、理解したでしょう。



私が話したことを奥さんに伝えると、明るい顔をして帰っていきました。

そのうち、ベイビーのニュースが聞けるかも知れません。