母は心配な、日本のアジア人差別 | グローバルに波乱万丈
 




息子の彼女は、フィリピーノです。


...というのと、


息子の彼女は、アメリカンです。


...とでは、日本の人達の反応は違うようです。




インデアンの人達以外、先祖がどこかの国から来ているアメリカの人達は、いくらアメリカ生まれアメリカ育ちでも、“僕はメキシカンです。”、“彼女はチャイニーズなんだよ。”と表現します。

それは、“○○人”というよりも、日本語の“○○系”というニュアンスです。

ちなみに、白人の人達は三世くらいからは単に“アメリカン”になのですが、なぜかイタリア人は、全くイタリア語が喋れない、イタリアに一度も行ったことがない四世、五世でも“イタリアン”と言います。 




ですから、両親がフィリピン出身の長男の彼女は、“フィリピーノ”です。

前回、長男も日本に行った時、何の気なしに日本の人達に「僕の彼女、フィリピーノなんだ。」と話し、その時の皆の反応で、日本人が持つフィリピン人の女性=“水商売の女”なイメージ、フィリピン人を見下した雰囲気を察し、ショックだったようです。



アメリカではないことです。

アメリカの人気バンド、“ブラック・アイ・ピー”のアランはフィリピン生まれのフィリピーノですし、今のホワイトハウスの女性エギゼティブ・シェフも、多くの有名人が着るウェディングドレス・デザイナーもフィリピーノですし、

フリオ・イグレシアの息子でやっぱり人気歌手のエンリケ・イグレシアも、NBAのマイアミ・ヒートのスポールストラ監督も、母親がフィリピーノですし、






曲を出せば大ヒットする、今、アメリカで...たぶん世界でも一番人気のシンガーソングライター、ブルーノ・マースも母親がフィリピーノです。



アメリカにはいろんな分野で活躍するフィリピーノが多いので、フィリピン人は才能があるといういいイメージです。 


というか...

本人、または先祖がどの国出身かで相手を判断し、あからさまに見下したり、見上げたりなどする人は、今時のアメリカにはあまりいませんし、そういう人はレベルが低い人と見なされます。





この週末から、長男と彼女、二人で日本に行きます。






広島、京都、大阪、岐阜の下呂、東京など、二週間ほど観光して廻ります。


「日本では、フィリピーノということは伏せておいた方がいい...」などと言うつもりは、一切ありません。

誰もが自分の血筋を誇るべきであるように、彼女もフィリピーノであることを誇るべきで、隠す必要などありませんし、

彼女が“フィリピーノ”か“アメリカン”で、彼女への見方や態度が変わるような人達がどう思うか、気にする価値はありません。



でも...

娘のように大切に想っている彼女の、素直でとてもピュアな心が傷つくことなどないといいけれど、

今までは日本では主人や白人の友達と一緒で、アメリカ人として日本の人達に意味なくちやほやされてきた息子。 今回はフィリピーノの彼女と二人で、日本語が片言のアジア人と思われ、今までとは随分違う扱いをされ、嫌な思いをしないといいけれど、


少し心配です。