うちにご飯を食べに来る常連さんの、カーディナル。
夫婦仲良しで有名で、いつもオスとメスが一緒にいる。
実はオシドリは毎年パートナーを変えるらしいが、カーディナルは一生同じ相手と過ごすのだそうだ。
今、ベイビーのシーズンなので、オスが二、三羽ベイビーを連れてきて、
羽をプルプルと震わせ、“チリッ、チリッ、チリッ、チリッ...” と大きな声を張り上げて餌をねだるベイビーに、
せっせと餌を運ぶお父さんカーディナルの姿が見える。
ベイビーの世話は、オスの仕事らしい。
そのうち、餌をもらう自分の番が待ちきれず、自分で食べ始める子が出てきて、
そのうち、オスや他のベイビーが飛び去っても、残って一人で食べている子が出てくる。
リスや大きなハトのすぐ傍で、平気な顔して食べているベイビーの姿には、少しハラハラする。
うちの林に住む鳥達は私達が怖くなく、窓辺で見てても逃げないのだが、
ベイビー達は逃げないどころか、私達のことが気になって、家の中を覗きに来る。
ベイビーのうちは、オスもメスも体全体が茶色なのだけど、まず、くちばしがオレンジ色に変わっていき、
そしてオスの子は、少しずつ赤い羽が生えてくる。
この子は男の子らしい。
お父さんのように真っ赤になる頃には、他の林に移っていくのだろう。
デッキのそばの池に、一年ほど前に入れたペット屋で餌用に売ってた魚がいる。
裏の湖にすむ青サギに食べられず、10倍くらいの大きさになっているのが二匹残っていて、
白地に赤がある方を、“JAPANESE FLAG” (日本の旗) と呼び、
もう一匹は、さすがに緑色の星はないけど、赤なので、“MOROCCAN FLAG” (モロッコの旗) と呼んでいる。
このオスとメスも仲良しで、時々じゃれ合うように泳ぐ姿を見かける。
その二匹にも、ベイビーができていたことが発覚。
小さいうちは、池の底でじっとしていたのだろう。
赤いのや、ピンクのやら、黒のまだらなのや、6、7匹いるようで、
最近になって、かなり大きくなっているベイビーが、少しずつ姿を見せるようなった。
今では、一人前に、アイリスや睡蓮の茎についた藻を食べている。
このオスとメスもかなり仲良しで、
ベイビーがいるのだが...
車社会のアメリカなので、学校に行くのも、友達の家に行くのも、親に運転してもらわないといけなかったのだが、
とうとう下のベイビーも今月から大学生となり、通学のために車を買ってもらい、一人で出かけるようになった。
この20数年、ベイビー達のために毎日あちらこちらに車を走らせてきたメスは、ぽっかり穴が開いたような気持ちでいる。