今回の日本滞在で、“へぇーっ、今どきの日本人って...” と驚いたのは、
30代、40代、たまに50年代の夫婦らしいカップルが、街角で手をつないで歩いてることです。
若い恋人達ならともかく、
25年前、私がまだ日本に住んでいた頃だと、「いい年して。」 などと陰口を言われてそうです。
(私の実家の近所にいたオバサン達なら、絶対に言われてそう...)
アメリカの映画やドラマとかの影響なんでしょうかね。
あと、ハグに対しても、それほど違和感を感じなくなっているような気がしました。
アメリカでは、少しでも親しい相手との挨拶はハグですから、
私も、会えて嬉しいと思う人を目の前にすると、“ハグしたいっ。” という気持ちが込み上げてくるのが、
いつの間にか無意識なリアクションになってます。
正確に言えば...
私がつき合ってる人達はアメリカ人よりも、頬にキスが挨拶の習慣のヨーロッパ、中南米出身の人達が多いので、
“ハグしたいっ。” というよりも、“キス&ハグしたいっ。” というのが、私の本当のリアクションです。
フランス人系、モロッコ人系は最低、両方の頬にキス。
(喜びを強調して示す時は、頬を代わりがわりに三回とか四回とか。)
(ちなみにオーストリアでは、両方の頬にキスして、またもう反対側の頬に戻って連発のキス。)
そして、他の多くのヨーロッパ人系や中南米人系は、片方の頬に一回キス。
アメリカ人は普通はハグだけ。
キス一回なのか、キス二回なのか、それともハグなのか、相手とマッチしないと可笑しなシーンとなってしまうんですよ。
私がよくやってしまうのは、
主人関係の知人友人はモロッコ人が多いし、親友夫婦はフランス人だし、両頬にキス二回が癖になってるので、
ブラジル人やコロンビア人などの南米出身の知人との挨拶で、相手はキス一回だけで切り上げるのに、
私だけが、反対側の頬にキスをするために顔を交差しようとして、唇がぶつかりそうになることがあります。
これ、相手があまり親しくない男の人だと、かなり気まずいです。 はい。
フランス人の友達夫婦とは、キス二回。 彼女らのアメリカ育ちの息子達は、ハグ。
...などと、出来るだけ相手の挨拶の仕方を覚えるようにしたり、
挨拶前の相手の体の動きで、キスなのか、ハグなのかを一瞬に察する努力、昔はしてたのですが、
女、47歳にもなり、25年も外国人の中で生活していると、
そんな気を回すのがめんどくさくなり、図々しくなり、強引にもなり、
相手の挨拶の仕方がどうであろうと、最近は自分のやり方を通し、相手の右側の頬に一回キスながらハグします。
...というわけで、会えて嬉しい相手を目の前にすると、私、キス&ハグをしたくなるんです。
昔は、久しぶりに日本の友達に会えるのが嬉しく、「うわーぃ!」 と抱きつくと、
まな板の上の鯉状態で、“早く切り上げてぇぇ...” な感じだったのですが、
最近は照れ臭い様子もなく、すんなりハグしてくれます。
(毎回のことなので、覚悟して私に会いに来てくれるだけかも知れませんがね。)
今回、広島で、高校卒業して以来30年ぶりに同級生と再会した時も、
あんまり嬉しかったので、「ねーねー!! ハグしていい!?」 と訊くと、 (日本男児だし、さすがにキスは抜き。)
「ええで。 でも、照れ臭いのー。」 と言いながらも、ハグしてくれましたし、
東京で25年ぶりに再会した、レストランオーナーの中学の同級生も、抵抗なさそうにハグ。
街角でハグだなんて、25年前だと考えられないことでした。
酔っ払いのオッサンくらい。
ただ、日本の人達は、まだ照れくさいなのか、
胸の間に距離を置き、回した手で私の背中を大抵二回ほどバシバシッと叩くので、苦笑いしてしまいます。
アメリカでは、スポーツとかの後、汗や体臭を気にする時にそういうハグをし、
二人の体勢がアルファベットのAに似ているので、“エイ・ハグ” と言ったりするんですけどね。
...なわけで、昔は “ハグしたいっ。” という込み上げる気持ちをコントロールし、
体を硬直させ、「元気ぃー?」 だけで済ますのが、結構ツラかったんですが、
最近はハグできるので嬉しいです。
そのうち、キスも違和感がなくなっていくんですかね。
そうだと、私は楽でいいのですけどね。