室内の照明を落とし、音と揺れに身を任せる。
真夜中の青森駅。乗務員の交代と機関車の付け替え作業でしばらく停車していた。
記憶があったのはここまでで、気がついたら朝を迎えていた。
朝6時。おはよう放送で、現在位置を知る事になる。
「列車は約2時間遅れて、新潟県は新津付近を走行中です」
ふむ、2時間遅れで出発し、そのまま2時間の遅れできっちり運行されているらしい。
車掌のアナウンスは続く
「お急ぎのお客様、いらっしゃいましたら車掌にお知らせ下さい」
「金沢駅より、サンダーバードにて振替を行います」
ふむ
「お断りである!」
そもそも、別に急いでいない。
朝食を食べ終え、サロンカーでのんびりしていると、お子様連れのご婦人に出会った。
車内の出会いもまた一興だ。
寝台特急ならではの一期一会の会話。
車掌が乗客を見かけると、サンダーバードへの振替の有無を聞いてきた。
丁重にお断りすると
「そうですか。お急ぎの旅ではないのですね」
「残りのお時間をどうぞ、お楽しみ下さい」
粋な返答であった。
列車は遅れながらも、順調に進んでいたが、少し憂慮すべき問題があった。
「昼食はどうしよう?」
その答えは、食堂車からの放送で解決できた。
「本日は列車が遅れており、食堂車より昼食のご注文を伺いに参ります」
おお!上り列車で昼食の提供!
ただ、食堂車での提供ではなく、食堂車からのデリバリー方式だった。
カレーを注文し、食する。
なるほど、これは美味しい。
トワイライトエクスプレスで3食食べたが、どれも美味であった。
列車は北陸を進み、敦賀へとやってきた。
最後の機関車交換。私も駅へ降りてみた。
真冬の帯広は最低気温が-28℃
札幌の最低気温が-15℃
この時の敦賀の温度が8℃
気温差が30℃もあると、暑く感じるのだなとこの時初めて感じた事だった。
機関車の交換を見届けると、車掌が発車するので車内に戻れと言っている。
旅もいよいよ終盤に差し掛かる。
最後の最後にシャワーを浴びる。
ちなみに、A個室ロイヤルにはシャワーが標準装備されているのだが、シャワーを4~5回ほど浴びていたと思う。
車掌のさよなら放送。そして、いい日旅立ちが流れる。
旅は終わりを迎えようとしていた。
大阪駅に入線する。
静かに停車する。
窓の外を見ると、友人3名が私の到着を待っていた。
その時の私の出で立ち。
サングラスに黒のカシミアコート。紺色のジャケットに濃紺のスラックス。黒手袋に赤いマフラー。
3名が私をみたとたん
「お疲れ様でした!」
と言って出迎えてくれました。
私のトワイライトエクスプレスの旅はこうして幕を閉じたのであった。
もう一度、乗車して見たかったが残念ながらその夢は叶わなかった。
だが、トワイライトエクスプレスの名前は受け継がれる事になった。
夢はまだ終わらない。
トワイライトエクスプレスとは、あのクルー達の「おもてなし」こそが、最大の魅力なのだから…


















