誕生日の前夜に告げられた

 

この家を出ていくと…

 

うん?それは別れるってこと?

 

この瞬間から

 

生まれて初めての孤独

 

一緒に見つけた家も

 

犬も田舎暮らしも大量の食器も何もかも

 

そして俺も…

 

すべてを放っていく

 

俺が先に逝ったあとに

 

貴女が暮らしていけるようにしてきたことが

 

たった一言で終わってしまった

 

さてさて人生の幕をどう引こうか


あの人と


付き合っているのなら


1分でも逢いたいと思うだろう


たった1分でも


愛の確認ができるなら


ぎゅっと抱きしめて


じゃあまたねで満足できる




あの人と


付き合っていないのなら


1時間では短すぎると思うだろう


食事の1時間では


限られた言葉だけで


じゃあまたねは哀し過ぎる




あの人と


久しぶりにゆっくりと話せると


待っている時間が長すぎる


時間が止まり


行き交う車のヘッドライトだけが


目に入るのは辛すぎる









詩もなにも


書く気が失せていた


現実社会のどろどろと接しているときは


何も書けなくなる


20代で詩を書くことをやめた時も


人の汚らしい姿に接して


しまったからだった


また


書けるだろうか・・・