コンテイジョン~恐怖はウイルスより早く感染する | 中小企業診断士グループ“YTD”のブログ

中小企業診断士グループ“YTD”のブログ

~あなたらしさをプロデュース~
平成23年度中小企業診断士試験合格者4名で立ち上げた診断士グループ“YTD"のブログ。YTDとは、「やったるでー」の略。クライアントの「あなたらしさ」を大切した支援を致します。

$中小企業診断士ユニット“やったるでー48”-contagion

香港出張からミネソタの自宅に帰って来たベス・エムホフが、謎の疾病で急死した。やがて彼女の幼い息子・クラークも同じ症状で死亡し。ベスの他にも、香港、ロンドン、東京などの各都市で同じ症例での死亡者が発生し、死者はどんどん増えていった。報告を受けた世界保健機関(WHO)や疾病予防管理管理センター(CDC)は、直ちにその病気の調査に乗り出す。しかし、感染の広がりは抑えられず、人々の間にはウィルスと共に恐怖心も蔓延していく。
公式HPより


ゆんたくです。

今日紹介するのは「オーシャンズ11」で知られるスティーブン・ソダーバーグ監督がマット・デイモン、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、マリオン・コティヤールら大物俳優を揃え、新種ウィルスが世界規模で感染していく恐怖を描いたサスペンス大作だ。
接触感染により20~30%の確率で数日内に命を落とすという強力な新種ウィルスに襲われる人類が恐怖の中で生き残るための道を探っていくという粗筋で、日本では昨年の11月に公開されている。

この映画を見ると世界はどんどん狭くなっている事が実感として分かる。
もともと世界が我々が想像するよりもずっと狭いことはスモールワールド現象と呼ばれる理論として知られていた。社会心理学者スタンレー・ミルグラムが1967年に行った実験によると、任意に抽出したアメリカ人2人は、平均6人を媒介者としてつながってしまうのだ。
それが近年の流通網、交通網、情報網、各種ネットワークの進歩によって、世界がつながっていくスピードは加速している。
映画内の描写でも、香港で生まれたウィルスが世界各地に瞬く間に伝搬していく様には、恐怖を感じる前に茫然としてしまう。

ネットワークの持つ強力な伝搬力をビジネスとして利用しているのが口コミマーケティングだ。英語で言うと文字通りウィルス性(Viral)マーケティングという意味になる。特に情報発信力の高いインフルエンサーと呼ばれるような個人の力を活用し、製品やサービスのPRを行っていく。これによってマスメディアでは期待できないような信頼感を低コストで獲得し、その影響範囲を等比級数的に拡大させることもできるのだ。

しかしこの手法にもデメリットはある。正のサイクルうまく回っているうちはいいが、いったん悪い噂や口コミが発生し、ネガティブなサイクルが回り始めると、コントロールが効かくなる。特にネガティブ情報の伝搬速度はポジティブ情報よりも速く、ブランド価値の暴落等を引き起こし、その被害は甚大になる。
この映画のサブタイトルにもあるように「恐怖はウイルスより早く感染する」のだ。


【診断士的学び】
口コミの力を活用するのは魅力的な選択肢。ただし、その力を恣意的にコントロールするのは困難で、デメリットもある事を理解しておくべき。


他の診断士のブログを見たい方はこちらへ。
にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へにほんブログ村