凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←) 第13話凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←)

―結衣STORY

健と同じころ、私も親から話があった。

正式に離婚が決定した―と。

こうなることは、予想できていたはずなのに。

予想外だった。

お母さんと一緒に住んだら、健と兄弟になるなんて。

「結衣・・・ごめんね・・・」

話し終わり、机に座ったお母さんが申し訳なさそうに言う。

「大丈夫だよ・・・」

ほんとは、今すぐにでも怒鳴りたいくらいだった。

でも、できなかった。

「今度のお父さんにはね・・・結衣と同じ学校の子供が居るのよ・・・健って言うんだけど・・・」

お母さんが静かに話し始める。

「クラスは違うみたいだから、知り合いではないと想うけど、恋愛・・・」

「やめてよ!!」

次の言葉を察知したのか、自分の口が勝手に動く。

これから、私たちは兄弟になる。

だから、一緒に住んで恋愛感情になるな・・・って言いたいんでしょ?

「ゆ・・・結衣?」

不思議そうな顔をしてお母さんが私の顔を覗き込む。

大人は自分勝手だ。

お母さん、あたし健のこと知ってるよ?

もう、始まってるんだよ?恋が。

「お母さんはずるい。」

それだけを言い放って、急いで部屋に入る。

ベッドに身を投げると、突然不安が襲い掛かる。

お母さんに浮気相手が居たのも分かってた。

それが、健のお父さんだということも。

でも、子供まで巻き込んで。

ありえないよ・・・お母さん。

「結衣・・・今週の日曜日にここ出て行くから、準備しといてね。」

ドアのそばでお母さんが言う。

お母さんの言葉に耳も傾けず、携帯を握った。

電話をかけたのは・・・健に。

「もしもし・・・?」


凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←) つづく凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←)


凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←) 第12話凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←)

―健STORY

結衣に別れを告げてから一週間。

もちろん、メールも電話もしていない。

あれから俺は、風邪で学校を休んでしまっていた。

でも、これで良かったのかもしれない。

もし、今結衣に会っていたら、自分の好きだという気持ちが溢れてしまうかもしれない。

結衣は、あの事実を知らない。

だからこそ、知ったら傷つくだろうし、だからこそ、知られたくなかった。

♪~♪~♪~♪

ベッドでゴロゴロしていると、メールの着信音が鳴った。

メールを送ってきたのは親父だった。

―今日は大事な話があるから、家に居なさい。

俺は、その場にケータイを投げた。

父親は、俺が学校を休んでいることすら知らないかった。

そして、玄関で音がし、親父が帰ってきた。

「ただいま。」

何事もなかったかのように家へと入る。

親父が家に帰ってきたのは2週間ぶりだった。

お父さんが帰ってきたと同時に、お母さんも帰ってきた。

「健、そこへ座りなさい。」

親父とお袋が真剣な面持ちで口を開いた。

「離婚が・・・正式に決まった。」

覚悟はしていた言葉。

だけど、突然すぎて何も返す言葉が見つからない。

「それで、お父さんは再婚・・・することにしたんだ。」

再婚相手・・・それは結衣の母親。

「あのさ・・・向こうは・・・」

「向こうは娘さんの親権は母親が持つそうだ。」

「父さんか母さんどちらかに決めなさい。」

突然のことで、どっちにいくとか決めていなかった。

でも・・・俺が父親のところに言ったら、俺らはどうなるの?

血のつながらない同い年の兄妹・・・になるんだよな?

そうなれば、自ずと俺らが恋愛することを認められなくなる。


俺は、どうすればいい?


凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←) つづく凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←)


凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←) 第11話凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←)

―結衣STORY

健、急にどうしちゃったんだろう。

私の不安は急速に高まった。

♪~♪~♪~♪

メールの着信音。

相手は・・・健から。

メールの内容は、たった一文だけのこんな内容だった。

―明日の放課後この前の公園で待ってる

絵文字ひとつないそっけないメールからは、不安しか届かなかった。

―朝

いつもどおりおきて、いつも健が来る時間まで待ってたけど、結局この日は来なくて、一人で学校に行った。

ねぇ、健。

なんでだろうね?一人で通う通学路はね、なんか、遠いの。

健も・・・遠かった?

「おはよう・・・。」

「おはよう結衣!!どうした?なんかあった?」

心配そうに亜結が顔をのぞかせる。

「なんでもない・・・」

そういってごまかす。

そして、放課後になった。

一人、この前への公園へと歩き出す。

「よぉ・・・突然メールしてごめん。」

「ううん・・・大丈夫だから。」

2人の間にはなぜか重い空気が流れ、沈黙が続く。

先に沈黙を破ったのは健だった。

「あのさ・・・別れよう。」

沈黙を破った言葉は、突然のものだった。

え・・・今なんて・・・

聞き間違いだと願いたかった。

「だから、俺ら、別れよう。」

「・・・何で??」

「付き合うとか・・・飽きちゃった。もっといろんな女と遊びたい。」

何で・・・なんで・・・そんなこと言うの・・・

「最低・・・なんでそんなこというの?健のバカッ!!」

急いでその場から走り出す。

涙が・・・涙が止まらない。

初めて人に必要とされた。

初めて心からいきたいって思えた。

初めて信じられる人だった。


やっぱり、私が幸せを願ってはいけなかったんだ。


凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←) つづく凸絵文字屋さん卍(無断禁止やかぃね←)