―結衣STORY
健と同じころ、私も親から話があった。
正式に離婚が決定した―と。
こうなることは、予想できていたはずなのに。
予想外だった。
お母さんと一緒に住んだら、健と兄弟になるなんて。
「結衣・・・ごめんね・・・」
話し終わり、机に座ったお母さんが申し訳なさそうに言う。
「大丈夫だよ・・・」
ほんとは、今すぐにでも怒鳴りたいくらいだった。
でも、できなかった。
「今度のお父さんにはね・・・結衣と同じ学校の子供が居るのよ・・・健って言うんだけど・・・」
お母さんが静かに話し始める。
「クラスは違うみたいだから、知り合いではないと想うけど、恋愛・・・」
「やめてよ!!」
次の言葉を察知したのか、自分の口が勝手に動く。
これから、私たちは兄弟になる。
だから、一緒に住んで恋愛感情になるな・・・って言いたいんでしょ?
「ゆ・・・結衣?」
不思議そうな顔をしてお母さんが私の顔を覗き込む。
大人は自分勝手だ。
お母さん、あたし健のこと知ってるよ?
もう、始まってるんだよ?恋が。
「お母さんはずるい。」
それだけを言い放って、急いで部屋に入る。
ベッドに身を投げると、突然不安が襲い掛かる。
お母さんに浮気相手が居たのも分かってた。
それが、健のお父さんだということも。
でも、子供まで巻き込んで。
ありえないよ・・・お母さん。
「結衣・・・今週の日曜日にここ出て行くから、準備しといてね。」
ドアのそばでお母さんが言う。
お母さんの言葉に耳も傾けず、携帯を握った。
電話をかけたのは・・・健に。
「もしもし・・・?」