昨日は新国立劇場の新しいシーズンの初めの日。初日でした。

先日、このダブルビルの演目のオペラトークに伺いました。

新国立劇場のホワイエまででしたが。

《2人のフォスカリ》はこちらのオペラパレスで上演されており、9月の最初にも伺いました。

昨日は、これから新国立劇場のオペラのシーズンの開幕なのだという雰囲気がありました。

10月1日(日)から  11月26日(日)まで 文化庁 芸術祭とのことで、開幕の時に、文化庁長官の都倉俊一さんの方からご挨拶がありましたし、秋篠宮さまご夫妻がご臨席されておりました。

 

実は今回会場に入る時に、手荷物検査があり、さてどうしたことかと思っていたのでした。

 

以前今の天皇陛下がまだ皇太子殿下の時に、ワーグナーのオペラの時にご臨席されたことがありました。

丁度その時に新国立劇場に行ったことがあったのですが、その時には会場の入り口に警察犬が立っていて、はてどうしたことかと思ったことがありました。

 

3Lの座席でしたので、2階のセンターの高さと近いので、その2階のセンターのエリアに、洋服に赤いリボンをつけた関係者の方が、秋篠宮さまを中心に周囲にぎっしりと座っていらっしゃいました。丁度人間の盾となるように考えられているのかな?と思ったほどです。

 

今回は3Lの座席でも、1番内側でしたのでステージも見切れることがなく、指揮者もステージの歌手もよく拝見できました。

開幕の演目がダブルビルということはどういう狙いがあるのかな?と思ったのですが、やはり一つ一つの演目としては、全く状況の違うものですし、さらっと流れていったような感じはありました。

ステージの印象としては、《子どもと魔法》の方は映像をうまく使って美しいステージであったように思います。

こちらは以前、N響の定期演奏会で演奏会形式でしたが、もの凄い配役で聴いたことがありました。それ以来のようにも思います。(もしかするとその後もどこかで演奏会形式で聴いたことがあったかもしれませんが、その初めて聴いた演奏の印象が強くて、《子どもと魔法》というとその時の印象が出てきてしまうのです。

音楽もそういう風にできているので、特別な演出が無くてもうまく想像できるようになっていると思います。

しかし、昨日のステージは子どもが母親に叱られて、いろんなものを壊してしまう場面は、ステージにポツンと立った子どもの周りに映像が写り、どんなものにあたってどんなものを壊してしまったのかがわかるようになっていました。それからその壊されたものが登場してきて歌うという形でした。少しずついろんな登場人物が庭の木の根元に集まって歌う美しいカラフルな場面が華やかで印象に残りました。

 

前半の《修道女アンジェリカ》がほぼ無彩色の世界でしたので余計に後半のステージの色彩が印象的だったのかもしれません。《修道女アンジェリカ》は以前、新国立劇場の舞台で聴いたようにも思います。その時の演出はかなり現代的な感じの舞台だったように記憶しております。

無機質な感じでなんと救いのない話なのだろうという印象を持ったように思います。

 

幕が上がった時、実はペルーのリマだったと思うのですが、修道院に見学に行ったことがありまして、その時の様子がさっと頭に浮かんでいたのです。

ほとんど色彩というものがない世界は同じでした。

そちらでは身分の高い家から入られた修道女の方が住まわれた中庭に面した区画があり、身分の高い方には、身の周りのお世話をする方が許されていたようでした。

その中庭の木にハチドリが来て、蜜を吸っていました。

そう行った場面を知らず知らずのうちに思い出していました。

長い回廊が演出されていて、そんな世界を思い出させたのかもしれません。

 

無機質な世界から、色彩溢れた2幕へのステージの鮮やかさがとても心に残りました。

 

アンジェリカ役のキアーラ・イゾットンさん、子ども役のクロエ・ブリオさんともに熱演でした。

最初ちょっと、アンジェリカの声が少し役の印象より堂々とした感じがいたしましたが………