実は昨日、細々したものを片付けていました。

小さいものが多いので、そっと丁寧に扱わねばならないのですが、ついきちんとしまわずに、ちょっとしたものを置くお皿の上に置いてしまったりするのです。

そうするといつのまにか忘れてしまっていたりするのです。そんな指輪やイヤリングなどを、きちんとしまって、自分はどんなものを持っているのか、頭に入れておきたいと思ったのです。

 

私は、自分の気持ちをちょっとした変化で入れ替えることをするために、時々アクセサリーの力を借りることがあります。

 

旅行に行くとそういったアクセサリーを購入することが多いのです。そういったものに囲まれているとその時に感じたことや、それを購入した時の自分の心の動きなどを思い出すのです。その時自分を取り囲んでいたもの、人、雰囲気などが思い出されるのです。

その国や地方の独特のものや形が自分に働きかけてくるのを感じるのです。

 

そんな中で、昨日、ああこれはこんなところにあったのだ、というものが出てきました。

 

何しろ近頃、ずっとマスクをする生活になってから、ほぼアクセサリーとは縁遠い生活になっておりました。

指輪は、手を洗い、アルコールで消毒する毎日ですので、その金属や材質に影響を与えないようにするためには、指から外してから消毒せねばならず、急いでいる時はつい忘れてしまうのではないかとヒヤヒヤしているのです。

つい外し忘れてしまったりもありますので、ちょっと怖いのです。

 

イヤリングは、もちろんマスクの耳にかける紐が絡んだり、知らぬ間に落としてしまうことがあるのです。

やはり恐れていたように、一つとても小さくて軽いものを車を乗り降りする時に落としても気がつかず、そのまま車を動かしてどうも自分で潰してしまったようです。

次の日、駐車場の前の道にあることに気がついたのです。もちろん壊れてしまっていたのですが……

 

そんなことがあると、ついつけるのをやめておこうという気持ちになるのです。

 

そして昨日その指輪を見つけたのです。

これは、トルコで求めたもので、たしかトルコのアンティークショップのようなところだったと思います。イスタンブールの街のお店でした。

普通でしたらそんなにゆっくり街を見る旅ではないのですが、トルコへ行って結構イスタンブールの街で、自分の好きなように何日間か滞在するといった風変りな旅だったのです。

ヨーロッパ側の要塞や、アジア側の要塞を見たり、ボスボラス海峡を船で遡り、黒海沿岸の町まで行ってもらったり、何か普通の観光旅行というよりは、気ままに何日間かイスタンブールに滞在していたというものだったのです。

 

そんな時に立ち寄ったお店でした。何しろ片言英語のやりとりでしたが……

そこで見つけた指輪でした。

イスラム建築や、ロマネスク様式にみられるアーチのような形の指輪なのです。

もちろん金属部分は混じりけが多い10K か9K ぐらいのものだと思います。

シルバーか何かのメッキかなあとも思っていたのですが、長年はめていても表面が剥げてきたり、黒くなったりはありません。

そこには同じようにアーチ型に細工されたトルコ石がはめられているのです。

何しろそれが珍しいのです。

そういった細工の細かさにまず目が惹かれ、サイズが大きめで、私でも少し大きいぐらいでした。

最初は男性用のものかと思いましたが、そのデザインの繊細さはやはり女性用のものかなと思われます。

お店の方は、それをはめると王の第1夫人とか、第2夫人になるとか、なんとかいっていたように思われますが、その辺りは忘れてしまいました。

しかし、トルコ石はそういった身分の高い夫人しか身に付けることができないものだったのだというお話をしていたように思います。

ちなみにトルコ石は、トルコでは採れないもので、ペルシャなどで採れたものを中継していたのでトルコ石と呼ばれていたのだということをその時知ったように思います。

 

未だに変わらず、そのデザインの美しさを保っている指輪を改めて見直しました。

これは冗談ではなくもしかしたら貴重な指輪かもしれないなと感じました。

大事に扱って行かねばならないもののように思いました。