ちょっと用があったので、街に出かけました。
避暑を兼ねて……
街では夏のこんな暑さのせいもあってか、北欧屋台というイベントと、ムーミンマーケットをやっていました。
なんと8月9日はムーミンの日。
トーべ・ヤンソンさんの誕生日なのだそうです。
それで、ムーミンの日というのだそうです。
北欧という感じが、この暑い夏に清涼感があるからでしょうかね。
クリスマスにも、ムーミン特集をやっていたところがあったように思うのですが、ムーミンの日が8月9日なのですから、おかしくはないのですよね。真夏でも……
いろいろ、ムーミンだけでなく、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、スカンジナビア地方のもの、そしてラトビアのもの……実はここで心惹かれたのは、ラトビアの雑貨だったのです。
ラトビアといえば、ガランチャ に オポライズ ステキなオペラ歌手が、出ている国です。
白樺の木でできている、コースターは美しい模様が彫ってあります。透し彫りで、どちらかといえば、コップの下に敷いてしまうより、飾った方が美しい繊細な模様です。
その白樺の繊細さもステキだったのですが、心惹かれたのは、木をある意味で寄木細工のように組み合わせてつくった、鍋敷き?ポット敷のようなものです。
その材料になった 木が「西洋ねず」の木だったのです。
手に持っているとそこはかとなく良い木の香りがします。この木は檜の仲間なのだそうで、天然の匂いがするのです。
何かこう、すっとするようなそれでいて強くない香り。
さわやかな香りの部類です。
寄木細工と言ってもいろんなものを作った細かい屑のようなものをはめ込んで作られているのです。この木は、寒いところに生えているので、余り背は高くならず地面に這うようなな感じで大きくなるのだそうです。成長もあまり早くないので、今現在、木そのものの数が減ってきているようです。
その鍋敷きを作っているお店もあまり大きいお店ではなく、今ここで出店をしているほかに本店に数点小さいサイズのものが輸入されているもののみなのだそうです。
手に持って匂いを嗅ぐと、不思議にあの広大な平原といいますか、湿原といいますか、そういったイメージが浮かんできます。
以前行った「キッティラ」というフィンランド北部から(オーロラを見にいったのですから)バスでロバニエミ迄南下した時の気持ちが思い出されるのです。
そんな時に味わった自然の匂いがします。実際は3月でしたが、やはり充分寒く、ダイヤモンドダストという空気中の水分が凍ってキラキラ光っていたのですが、そんな木の微かな匂いには、その時の気持ちがいっぱい詰まっているように思うのです。
この鍋敷きはラトビアのものですが、同じ空気感が伝わってきます。
長年の間には、この木もその香りを失ってしまうかもしれませんが、、ある時、ポットやお鍋の熱を感じてその木の本来の匂いを取り戻す時があるかもしれないな などと思うのです。
この「ねず」の木独特の美しい渦巻き模様です。美しいだけでなく、そのものに使命があることが素晴らしいと思うのです。
この木に実がなるのだそうですが、その実がジンのにおいに使われるそうで、その「ジュニパー」の名前から「ジン」という名前がついたとのこと。
また、この木の本体は樽などに使われたそうです。
日本の「ねず」とは少し違っているようですがそんな由来を持っている香りなのですね。
そんな北欧の匂いに、ガランチャ、オポライズ の面影を感じていましたら、昨日のブログに書いた、第九の友人からメールが届きました。
日本フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者の、ピエタリ・インキネンが、2020年のバイロイトの「リング」の指揮者として指名されたとのニュースでした。 しかもニュープロダクションでの指揮だとのこと。 えっバイロイト⁉️
今年、日本フィルハーモニー交響楽団を率いて、フィンランドを始め、ヨーロッパツァーに行ってきたばかりのインキネンにバイロイトからのご指名がかかったようです。しかも「リング」の指揮とのこと。
私は、インキネンは、そのツァーに行く前の公演でしか聴いたことがないので、ワグナーの演奏に向いているのかいないのかわかりませんが、大きく飛躍するチャンスではあると思います。
美しく指揮をする方というイメージでした。
2013年のアニバーサリーイヤーのペトレンコの時のように、演出がマイナスに動くものでないと良いなあと思います。
それでもペトレンコに対しては惜しみない拍手が沸き起こっていましたが………
なんだか北欧の持つ粘り強いさわやかな香りに包まれたようなこの日でした。