突然スマホになってから、歩いた歩数が大体わかるようになりました。

なかなかまだ使いこなせておりませんが、これは数字でが〜んと迫ってくるので、良いかもしれません。

いつも普通の生活をしていると、え〜っという歩数でこれでは運動不足だと思うのです。

しかし、限られた時間とやらねばならないことの兼ね合いで、歩数がかなり少ない時があるのです。

「これはあんまりでしょう」と思う時はあるのですが、膝と仲良くしていかなければ、何歩か歩いてしばらく休んだりするという生活になってしまってはダメなので、そういうものを無理させないようにしていかねばならないのです。

幸い、近頃は以前のような痛みはなくなってきましたが、これはリハビリしながらメンテナンスをやっているおかげかなと思っています。

 

土曜日に歩数を見たところ、めでたく1万歩を超えていました。

実は少し膝がよれっとする痛みがあったので、「大丈夫かな?」とちょっと心配して歩数を見てみたのです。

この土曜日は午前中、月一回のオペラ講座の日でした。

まず、駅からそこの場所へ歩くことから始まったのです。

 

朝はまだ、身体が慣れていないので階段の上り下りは特に慎重にせねばならないのです、無防備にすると、以前のように膝の関節がガクッと外れてしまうことになりかねないの

で、頭の中で慎重に慎重にと唱えるのです。そうすると身体が膝の調子や痛みなどを考えながらどう身体が対応して行ったら良いかを考えてくれるようになるのようです。

 

オペラ講座から、この日はいつもお世話になっているお弟子先生のリサイタルの日であったのでそのままちょっと早かったのですが、コンサート前に友だちとあって食事をしてからいく約束をしていたこともあり、東京方面へ出かけました。

(それから、渋谷→新宿→銀座というコースを辿ることになるのです。)

 

結局乗り換えや、利用する電車によって歩く歩数が、いつもより大幅にアップすることとなったようです。

近頃乗り換えもかなり距離を歩かねばならず、本当に健康あっての毎日なのだということを実感します。

 

待ち合わせで食事をすることになっていたので、お昼は早めの夕食が美味しくなるように、途中休憩に生ジュースを飲むだけにしました。

何故だか天皇陛下の慶祝記念というメニューが1日20食限定ということでございましたので、そのコースを食べました。(すぐ看板に踊らされるのですね、私って……)

お腹も充分空いていましたし、美味しくいただきました。

 

しっかりとお腹の準備も整えて、リサイタルに参りました。

オペラのアリアがあるわけでもなく、ほぼ29曲のうち25曲はドイツ語の歌。終わりの4曲だけが日本歌曲というプログラムでした。

そのドイツ語の歌、リートもバッハのコーヒーカンタータから始まって、モーツァルト、シューベルト、マルクス、R・シュトラウス、ヴォルフ、という形で並んでいます。

今回のプログラムは、割合に有名なものという形で大先生が、お弟子先生が今まで練習してきた曲のリストの中から選ばれたとのことでしたが、それでも作曲家によっては一般的ではないものもあり、このプログラムは本当に大変だなあと思っていました。

レッスンの時に一度通しをして、休憩なしの2時間ぶっ続けのレッスンを聴講していましたので、ご本人が苦手としているところなどはわかっていたのですが、立派にそんなところもクリアなさっているのが素晴らしいと思いました。

レッスンの時と違っていましたのは、やはりピアノ伴奏の影響もあるように思いました。

このピアノが素晴らしいのです。特にリートの伴奏は、曲の持つ味わいや、ちょっとした考え方、この曲をこう捉えているのだなあという感覚が素晴らしいのです。音色も細かい音のパッセージに至るまでよく考えられていたと思います。最後の減衰していく音をどこで切っていくかというタイミングも素晴らしく、特にR・シュトラウスの《モルゲン》の前奏が始まった時にはもう涙が滲みそうになりました。(先日、これをオーケストラ伴奏で聴きましたが、もうこれはこういう音でピアノでなくては……)

思いがけなくマルクスの《森の幸せ》では、その前奏部分で森の深い匂いを感じたように思いました。デーメルの詩で、解説には木のざわめきがピアノに表されていると書いてありましたが、何故か確かに森の匂いをここで感じたのです。

普段リートを勉強しているわけではなく、合唱団には入っていますが歌のレッスンを専門的にしているのではない、一緒に食事をした友だちが、このアンコールを入れて30曲のプログラムをしっかりと聴いて《凄い》という印象を話していました。

 

「リートのピアノ伴奏ってこういうものなのね」としみじみと感じた一夜でした。