代官山教会でのコンサートに参りました。
クリスマスが近づいてくるこの時期、街は変貌を遂げます。ちょうど駅から長い歩道橋を渡って行くショッピングモールの中庭が、クリスマスの飾り付けを終わったところらしく、写真を撮っていましたし、道路にはクリスマスツリー用のモミの木をいっぱい積んだトラックが停まっていました。12月前の最後の祝日はそういう日なのだなあと思いました。勤労感謝の日。
東横線の中でもはっとする色使いを見ました。自由ヶ丘で各駅停車に乗りかえた時、私の目の前に座っている方3人の色使いが目に飛び込んできました。真ん中にすわっていらっしゃる方は髪は真っ白ですがお召しのコートは混じり糸の全体のトーンとしてはサーモンピンクで、ちょうど髪の色ともピッタリで明るい色目でも派手な感じではなく素敵でした。その方の左の方はベージュ系のコートに全体が大胆な柄の布のバッグをお持ちで、そのバッグがぐっと全体を素敵なものに形作っていました。右に座っている方は黒のパンツにグレーのダウン、オレンジ系の二色のスカーフに真っ白いトートバッグをお持ちでした。素材感と色目がとても良くあっていて、その3人の方の色の取り合わせが素敵だったのです。一人一人別の駅で降りていかれて束の間の素敵な調和はすぐに終わってしまいましたが。さすが東横線だなあと感じました。

この教会に行くのは二度目ですので、迷うことなく到着しました。小さいですけれどもよくコンサートが開かれます。
オーボエ、オルガン、ピアノ、ソプラノとメゾソプラノの歌の方という編成で、特にオーボエの音色が美しく印象に残りました。途中にオーボエ、オーボエダモーレ、コールアングレの説明があり、それぞれを曲ごとに吹き分けていらっしゃることが分かりました。 バッハの曲にはオーボエダモーレ、ドリーブの曲では、オーボエとコールアングレを吹き分けていらっしゃいました。小さい会場でしたので目の前で豊かな音色で演奏され、楽器の違いもよくわかりました。
ただ座っていた位置の関係か、ブラームスの二つの歌曲「鎮められたあこがれ」「聖なる子守唄」はピアノの横にオーボエがいて、その向こうにメゾの方がいるという形になっていましたので、その時はオーボエの音量とメゾの方の声のバランスが難しいなと感じました。
前半にドリーブの曲が3曲並び、最後が「ラクメ」より  鐘の歌 でした。この難曲を歌うことによって、2部のブラームスの2重唱曲や、各国のクリスマスの歌にかなり影響したように思います。以前何かのブログの記述に書いたように思いますが、大先生曰く「宗教曲とオペラの両方を歌えるのは世界のほんの限られた歌手だけだよ」とのこと。「普通はどちらかに道は分かれてその道を追求することになるのだよ」そんな言葉が頭をめぐりました。やはり声の出し方、音色などはバッハを歌う時にオーボエダモーレを使うように、コッペリアを吹く時にはオーボエにするように声も微妙にその曲に合わせた音色、歌い方がいるのではないかと感じた次第です。