昨日最も驚き、暗い気持ちになったのはトランプ大統領の当選のニュースです。
何ということ。ほぼ絶句してしまいます。
彼が大統領になったら………………。恐れていたことが起きてしまいました。
アメリカよお前もか。
変革を求めると言っても威勢の良いことをいうだけ言って、その後どう責任をとって行くのか。

第2次世界大戦前夜、口当たりの良いことを並べて演説に熱狂した市民から選ばれた指導者がいませんでしたか?
ニュールンベルグの街からナチス党の党大会をした大きな競技場がはるかに見えていました。多くの市民が熱狂し排他的にしかも自分たちが優秀であるから他を犠牲にして行くのは仕方がないことだと考えた市民に選出された指導者はいませんでしたか?その競技場を遠くに眺めた時、まさかそんなことがまた起きたりすることはないだろうな  と思ったのですが、イギリスのEU離脱が決まり、アメリカが強いアメリカをうたい、何処かの国では犯罪者はすぐ撃ち殺してしまえと言う大統領が圧倒的に人気を誇り、何処かの国は海に大きな人工島を作って国を広げようとし、また何処かの国は圧倒的な軍事力で一つの国を潰してしまう。

どうしてしまったのだろう。暗い気持ちになるのは当然のことのように思うのです。
7月2日付のブログ で「アルビン・トフラー」のことを書いた時は共和党の候補者になったというだけで、その見識を疑いたくなったのですが、まだその時は現実にトランプ氏が大統領になるとは思ってもみませんでした。最後にはアメリカの良心はトランプを選ぶことはないだろうと思っていました。とってもがっかりすると同時に、あの聳え立つトランプタワーのビルを思い出しました。確かセントラルパークから見えたと思います。
また6月8日付の國吉康雄の少女の絵に込められた意味についてもう一度考えました。「少女よ、おまえの命のために走れ」を書いた國吉康雄はアメリカで絵を学び、美術学校の先生までやっていたのに死ぬまでアメリカの市民権を得ることは叶わなかったのです。戦争中はアメリカのために戦争の相手国である日本を非難するポスターを描いたり、アメリカのために働いたにも関わらず、排他的な風潮を破ることはできずにアメリカで亡くなったのです。あの世界の風潮がまた舞い戻りつつあるのでしょうか。心まで寒くなるのです。