今回のレッスン曲 のグリーグの歌曲を半音下げた 調にするように前回大先生に言われました。ペーター版のグリーグの歌曲集だったのですが、調べていただくと、高声用と低声用が出ているようなのですが現在日本の店舗では高声用の楽譜しかなく低声用のものを求めるには注文して一ヶ月はかかるとのことでした。しかもその曲が希望している調性であるかどうかわからないのですから移調することにしましたが、以前自分で手書きした時に伴奏の方にずいぶん弾きにくいと言われました。丁寧に書いたつもりでもやはりかなり見にくい楽譜になってしまったようです。
今 は   PC  で楽譜が書けるものがあるやにきいておりますが、自分でそれに取り組む気力もなく技術もないので、それがある方にお願いすることにいたしました。
 その楽譜が昨日届いたのですが、見事な出来栄えで凄いなと思いました。一応、半音下げたものと、全音下げたものと2種類お願いいたしました。半音の方は調号もとれ、スッキリとイ短調になるのでそんなに臨時記号もつかず見やすくなるのですが、全音下げる方はなんと♭が7つの調になるのです。まあ最初の調とて♭が5つの調なのですけれども……。
きっとこの組み替えも原本をきちんと入力しておけば機械がいろいろ下げたり上げたりしてしてくれるのだと思います。
文明の利器の能力はすごいのですね。楽譜も見やすいですし。
早速、移調後の楽譜で歌ってみました。半音ずつ違うだけなのですが、結構ニュアンスが違ってきますし、歌いやすさ、歌いにくさも変わってきます。
イタリア語のディクションの先生がこの前仰言っていましたが、イタリアには日本のように高声用、中声用、低声用などの楽譜は無く、書かれている楽譜で歌えるように練習するのだそうで、ある人には音域が高くてもその高い声を出すためにはどうしたら良いかという形の勉強をし、低すぎたら、その低い声を安定してだすためにはどうしたら良いかを勉強するのだそうです。日本の移調してある楽譜を見て、イタリア人はその楽譜は便利だね、どこで売っているの?と訊くそうです。声を曲に合わせる感じでしょうか、作曲家が選んだ調が本来意図したものに一番近いわけですから。今時はわかりませんが、その話をきいた時にいかにもイタリア的だなあと思いました。
リートは声に合わせて移調して歌うという感覚が強いように思います。その心情を伝えられる一番声にあった調を選択すべきだという感覚でしょうか。この感覚は国民性の違いと言っても良いのでしょうか。ドイツ的な合理性と言えるのでしょうか、ちょっとわかりませんが。しかし、私にとっては、この半音下げた調が今の自分の状態にあっているように思いました。ありがたいことです。