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BRIDGE OF SPIES

2015年 アメリカ映画

【監督】スティーヴン・スピルバーグ

【出演】トム・ハンクス
     マーク・ライランス
     スコット・シェパード
     エイミー・ライアン
     セバスチャン・コッホ
     アラン・アルダ
     オースティン・ストウェル
     ミハイル・ゴアヴォイ

【ストーリー】
 アメリカとソ連の冷戦のさなか、保険関連の敏腕弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)は、ソ連のスパイであるアベ

ル(マーク・ライランス)の弁護を引き受ける。その後ドノヴァンの弁護により、アベルは死刑を免れ懲役刑となっ

た。5年後、アメリカがソ連に送り込んだ偵察機が撃墜され、乗組員が捕獲される。ジェームズは、CIAから自分

が弁護したアベルとアメリカ人乗組員のパワーズ(オースティン・ストウェル)の交換という任務を任され……。
(シネマトゥデイより)

【コメント】
 冷戦のさなか、こんなことが裏で行われてたんですね~。本当に映画観て初めて知ることがたくさんあります。

驚いたのは政府機関とは関係のない保険関連の弁護士が国家間の重要な取引をどこにも所属しないもし命を

落としても誰のせいにもならないそんな状態で任されたこと。家族にも言えずまさに一人で東ベルリンに行くこと

になるんですね。すごい決断だなと思います。

 何よりドノヴァンの正義感が素晴らしいです。信念を持ってまずはアベルを弁護し、死刑でなく懲役刑にしたこ

と。そのことによりアメリカ国民から裏切者とか言われて家に銃弾が撃ち込まれたり、警官にも非難されたりする

のですが、こんな時でも彼は凛として「自分の仕事をしろ!」と言い放ちます。見事だなと。家族も彼を責めたり

問いただしたりしません。本当に信頼してるんですよね。

 そして彼の交渉術の素晴らしさはアベルとパワーズの交換というときにも発揮されます。アメリカとソ連、のみ

ならずアメリカと東ベルリンの関係をも誰もが無理だと東ベルリンに拘束された大学生を見殺しにしようとしてい

るとき2対1の人質交換で成し遂げるわけです。国もそこまでは考えてなかったのに彼はひとりで曲者のソ連と東

ベルリンと交渉したんですから凄すぎます。

 外交における交渉術って本当に国と国の利害の駆け引きでそれによって人の命運のみならず国の命運もか

かっているというすごく難しいものですよね。そこにはやはりどちらかが妥協しないと成り立たないんですが、最

近ってどこも絶対妥協しないような気がしますね。

 何も知らない家族がドノヴァンが帰宅後ニュースで初めて彼の活躍を知ってびっくりする場面、ドノヴァンは疲

れ果ててベッドに倒れて寝てて・・・っていう普通のようなそんなシーンになんだか感動してしまいました。お父さ

んの裏での仕事ぶりを知ったら誇らしいですよね。

 あとアベルとドノヴァンの信頼関係も良かったです。お互いを尊重してて素敵だなと。


難しい内容かと思ったけど、とてもテンポよく進んで分かりやすかったです。ドノヴァンが帰国して塀を越えて元

気よく遊ぶ子供たちを見たとき東ベルリンの壁を越えようとして銃撃される人たちを思い浮かべたんでしょうね。


 トム・ハンクスが見事でした。普段でもスピーチ上手いトムだからこの役もばっちり合ってました。逆にトム・ハン

クスでなければいけなかったかも。

 とても見応えのある映画でした。