ANONYMOUS
2011年 イギリス・ドイツ映画
【監督】ローランド・エメリッヒ
【出演】リス・アイファンズ
ヴァネッサ・レッドクレープ
ジョエリー・リチャードソン
デヴィッド・シューリス
ゼイヴィア・サミュエル
セバスチャン・アルメストロ
レイフ・スポール
エドワード・ホッグ
ジェイミー・キャンベル・バウアー
デレク・ジャコビ
【ストーリー】
時は16世紀のイングランド、アイルランド女王として君臨していたエリザベス一世が統治していたころのロンド
ン。サウサンプトン伯ヘンリー・リズリー（ゼイヴィア・サミュエル）に招待されて、芝居を鑑賞しにやって来たオック
スフォード伯エドワード・ド・ヴィア（リス・アイファンズ）は、ベン・ジョンソン（セバスチャン・アルメストロ）執筆によ
る作品の素晴らしさに感服していた。しかし、芝居を忌み嫌うエリザベス一世の宰相ウィリアム・セシル（デヴィッ
ド・シューリス）が兵士と共に劇場へと乗り込んできて、芝居を中止するように圧力を掛ける。(シネマトゥデイより)
【コメント】
シェイクスピアの作品は実は別人が書いたものという別人説を描いた歴史ミステリー。実際シェイクスピア自筆
の原稿は一切残っていないためこの説があるらしく、だからこういう映画も作れて面白いですよね。原題の
ANONYMOUSって匿名って意味なんですが、この題ってそのまんまでつまらなくないですかね^^;
現代の劇場で実際にシェイクスピア俳優であるジェレク・ジャコピの語りで16世紀へ導かれます。まさにシェイ
クスピアの物語にふさわしい始まり。終わりもここで終わります。
エリザベス１世とシェイクスピアのお話は多々ありますが、当時宰相のセシルが芝居を嫌っていたとは知りませ
んでした。ちゃんと観てないのかもですが。
どこまでが事実なのかかなり驚愕のストーリーとなってます。もちろんシェイクスピアが作ったとされる芝居がこ
とごとく人気をさらい、ジョンソンは苦悩していくのはなんとなくモーツァルトとサリエリを思い浮かべます。この映
画でのシェイクスピアは実は字も読めない学の無い役者でたまたまジョンソンの話を聞き、彼が名乗るはずだっ
たところを彼が横取りした感じであまりいい印象ではないんですよね。
新作の上演シーンもとっても活気があって当時にタイムスリップしたような気持ちになります。大衆の芝居。い
いなあ。
オックスフォード伯エドワードは貴族としては冴えない人。戦ったこともなければ経済的にも破綻しつつある身。
そんな彼がどんどん素晴らしい作品を書いていくわけで、それは家族にとってはナンセンスな恥ずかしいこと。
貴族が作家になんてなれないとか、ややこしい時代ですね。
若かりしエリザベス１世とエドワードの恋がセシルによって引き裂かれたのが残念。まあハッピーエンドになっ
たら歴史上の話として成立しないのかもしれませんね。老後のエリザベス１世が彼にもっと情をかけてほしかっ
たけど、あの結末がいちばん情をかけたところでしょうか。
とにもかくにもシェイクスピア名義のエドワードの作品が素晴らしいということは万人が認めるところ。ジョンソン
でさえ彼と同じ時代に生きていて良かったというほどです。その気持ち分かるな～。
それとセシルが語っていたようにエリザベス１世は実は即位までにも子供を何人も生んでいたとか事実でしょう
か。ものすごく気になります。先日観たミュージカル「レディ・ベス」でも若い時のエリザベスの初恋を描いてまし
たからねー。
晩年と若き日のエリザベス１世を実の親子、ヴァネッサ・レッドグレイヴとジョエリー・リチャードソンが演じてる
のも興味深い所です。ふたりともがっちりと演技派ですからね。
また晩年のエドワードはリス・エヴァンス、若かりしエドワードはジェイミー・キャンベル・バウアーが演じてるん
ですが、エリザベス１世より大分若い感じでした。ジェイミー・キャンベル・バウアーといえばトワイライトシリーズ
で美しかったですけど、今回も貴族の役なので美しかったです。で、もうひとりトワイライトシリーズに出ていたゼ
イヴィア・サミュエルがサウスサンプトン伯役で出てて全く違った容貌だったので驚きでした。
ハリポタシリーズでいい役のデヴィッド・シューリスが今回はちょっと悪い役。悪人ではないんですよね。ああい
う人ああいう宰相どこにでもいそう。
イギリスのいちばん華やかだった時代、エリザベス１世に偉大な作家シェイクスピアと劇。やっぱり面白い興味
をそそられる時代です。
イギリス好きな方、シェイクスピア好きな方は特に楽しめるはずですよ♪