42
2013年 アメリカ映画
【監督】ブライアン・ヘルゲランド
【出演】チャドウィック・ポーズマン
ハリソン・フォード
ニコール・ベハーリー
クリストファー・メローニ
アンドレ・ホランド
ルーカス・ブラック
ハミッシュ・リンクレイター
【ストーリー】
1947年。ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、
黒人青年ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約、彼をメジャーリーグ史上初の黒人メジャー
リーガーとして迎える。だが、白人以外には門戸を開かなかったメジャーリーグにとって彼の存在は異端なもの
でしかなく、チームの選手たちはもちろん、マスコミや民衆からも糾弾される。そんな状況ながらも、背番号42を
誇るようにプレーするジャッキーの姿は次第に人々の気持ちを変えていく。(シネマ・トゥデイより)
【コメント】
この映画で初めて大リーグでの全球団共通永久欠番42というものがあることを知りました。4月15日は大リー
グでグラウンドにいる全員が背番号42をつけるそうです。そんなこと今までニュースがあったのかもしれないけど
聞き流してたのか本当に知りませんでした。
そしてアメリカが当時ものすごい白人優位社会で黒人をニガーと呼んで蔑んでいた様もあまりに露骨で驚いて
しまいます。ベースボールの世界でさえ白人のスポーツと言ってて、いやー当時の白人のあの人種差別観って
怖いなと思いました。その中でゼネラルマネージャーのリッキーがジャッキーの才能を見抜いて彼を球団に迎え
入れます。その時これから先の激しい罵倒やさまざまな困難を予想し、それに耐えれるか?とジャッキーに聞き
ます。そして絶対に何を言われようと何をされようとやり返してはいけないと言うのです。やり返さない勇気が必
要だと。そしてジャッキーにはそれができると。ピッチャーから頭への四球を受けたり、野球をしたいだけなのに
それがもはや命がけとなるのです。さらには相手球団の監督のとんでもなくひどい野次。はたまたジャッキーが
いるというだけでドジャース自体もホテルの宿泊拒否とか別の球団から試合に来るなら自分たちが試合に出な
いとかマネージャーにまで脅迫じみたことが及びます。すさまじいです。
そんな中でひたすら耐えるジャッキー。そして球団の勝利に貢献していくジャッキー。
チームメイトも少しずつ彼を受け入れていきます。一緒に肩を組んだりするだけでも白人と黒人が仲良くすること
が話題になる時代。こんな時代があったんですね。
ジャッキーを信じて彼を導いて行ったリッキーも本当に素晴らしいです。よほどの信念がないとあそこまで出来
ないですよね。本当にもう彼らの新しい時代への挑戦がすごくって涙があふれてきました。
野球選手だけじゃありません。黒人の記者は記者のスペースに行けないからと常に観客席でタイプを打ってい
ました。観客席も白人とはもちろん別。肌の色が違うというだけでここまでも差別されるんですね。
今多くの日本人の大リーガーが活躍してますが、すべてはジャッキーのあの不屈の精神と彼を見守ったリッキ
ーあってこそです。彼のことを考えると背筋をピンと伸ばして何事にも取り組まないとバチが当たりそうです。
それくらいみんな真剣でした。
ジャッキーが大リーグで勝利を決めた瞬間、大リーグの未来が変わったんですよね。
ジャッキー役のチャドウィック・ポーズマンは初めて見たんですが、素晴らしかったです。プライドを持ちながら
もひたすら耐え抜く姿が美しかったです。
野次を言われてブチ切れる寸前と裏で泣き叫ぶところとかもうこちらも感情移入してて辛かったです。
ハリソン・フォードは特殊メイクとかしてたらしいけど、それよりも何よりもジャッキーをひたすら信じて守り、メジ
ャーリーグの世界を変えるんだというリッキーを熱く演じていて素晴らしかったです。
これはただの野球映画ではないと思います。ぜひぜひ劇場で観てほしい作品です。