1948年 イギリス映画
【監督】マイケル・パウエル
【出演】モイラ・シアラー
マリウス・ゴーリング
★1948年度アカデミー賞劇映画音楽賞、美術監督賞、装置賞受賞
【ストーリー】
ロンドンのバレエ劇団の団長レルモントフに見出されたダンサーのヴィッキーと作曲家のクラスター。
ヴィッキーは新作バレエ「赤い靴」の主役に抜擢され、世界的な大ヒットとなる。ヴィッキーは一躍プリ
マドンナへと上り詰めた。成功した二人は互いに惹かれ合い、いつしか恋仲となっていく。
二人の変化に気づいたレルモントフは「バレリーナに必要なのは踊りへの情熱だけであり、他のことへ
気を逸らしていては成功できない」とヴィッキーに恋を捨てるよう説得する。彼女はまるで童話の「赤い
靴」と同じように、踊り続けなければいけない立場となり、バレーと愛の狭間に苦労する。
(DVD解説より)
【コメント】
昔、映画館でリバイバル上映を観てとっても感動した作品です。パンフも持ってます!今500円でDVDが
出てるので即買いました!
1948年に作られたとはって驚くばかりの美しい曲とバレエ。劇中で踊られるバレエ「赤い靴」がとにか
く感動的でいつまでも心に残ります。童話の「赤い靴」とリンクしているところが悲劇を予想させます。
それがさらにヴィッキーの運命をも左右するのが上手いなあと思いました。
レルモントフは明らかにジコチューの団長。「ヴィッキーは私が育てたダンサー」ということしか頭に
ありません。だからクラスターと恋仲になったのを聞いて嫉妬したとしか思えません。クラスターも稀有
な天才作曲家。彼をクビにしてでも彼女との仲を裂こうとするあたり、もう理性を失ってるなあと思いま
した。
最後の最後にヴィッキーが履いている赤い靴に動かされるように外へ飛び出していくシーンは言葉にで
きない衝撃を受けます。
とにかくバレエ映画なので様々なバレエが観れます。「白鳥の湖」「ジゼル」「コッペリア」など。
そして、このバレエの中で特に印象的なのが題名の「赤い靴」なんですが、これに靴屋で出ているとても
印象的なダンサーが当時の名ダンサー兼、名振付師のレオニード・マシーン。映画の最後をしめくくるの
も彼です。なんでもニジンスキーの後継者と目されていたそうです。
レルモントフ役のアントン・ウォルブルックはドイツで映画出演後ナチスを嫌って渡英したそうです。
とても役がハマってました。
いかにも古い白黒の画面に色付けしたような雰囲気がまた時代を感じさせていいです。