エドガー・G・ウルマー監督の「カーネギー ホール」、「かれらに音楽を」から8年後のハイフェッツのチャイコフスキーが聴けて結構でしたね。

この映画、チャイコフスキーで始まり(ピアノコンチェルト)、チャイコフスキーで終わりました(#5)。

 

主人公ノラを演じたマーシャ・ハント、実は50年代の赤狩り、ブラックリストに載せられて大変苦労されたそうで、その関係もあってか、後年、ドルトン・トランボ監督の「ジョニーは戦場へ行った」(猪俣さんの『世界映画名作全史 戦後篇』最後に取り上げられている作品!)では、ジョニーの母親役を演じていたようです。

「我が道を往く」のオマリー神父の友人で、その後任になった神父役のフランク・マクヒューがノラを陰に陽に支える役を好演していました。

息子と恋に落ち、結婚。最後は母(ハント)に許され、一緒にカーネギーホールで息子の晴れ舞台に喝采していた女優、この映画を最後に引退されたんですね。

あと、映画「ダイハード」のラストで流れる「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」を歌っていたヴォーン・モンローのお姿を初めて拝見することができたのは、今回の発見でした。

 

全く、ブルーノ・ワルター、ルビンシュタイン、リリー・ポンス等のカーネギーホールの豪華な出演者勢揃いで、実に貴重な映画でした。